
腎臓病からみる「腎臓」の構造と機能を現役医師がわかりやすく解説!

腎臓は体の恒常性(ホメオスタシス)を保つための重要な臓器だ。まずは正常な構造や機能を勉強する。更に正常に働かない状態、つまり、『病気』の状態も学ぶことでより理解を深めていくんだ。
腎臓の病気を専門としている現役医師のライター、スコットと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/スコット
内科医として日々臨床の現場で働いている。少しでも多くの人が自分の体や病気に興味をもち、よりよい人生のためのサポートをできるように試行錯誤している。
腎臓とホメオスタシス

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腎臓は端的に言えば、尿をつくる臓器です。
ヒトは進化の過程で海から陸上にあがりました。そこで必要となったのが水分と塩分の保持です。いつ摂れるかわからない水分や塩分を体の中で蓄えたり、排泄したりしながら厳密に調整することで、体のホメオスタシスを保っています。その役割を果たすのが腎臓なのです。
その他にも腎臓はカリウムやその他の電解質バランス、骨や造血に関わるホルモン臓器としての役割も持っています。
腎臓の解剖

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腎臓は体のどこにあるのでしょうか?
両手を握って、腰のあばら骨の一番下の部分より少し下のところに当てて背中をグイッと反ってみてください。「ここを押すと一番背中が反るな!」って辺りが大体の腎臓の位置です。大きさも大体握りこぶしくらいで、1個の腎臓が150g程の重さで2個あります。
それぞれの腎臓に血液を送込む血管を腎動脈といい、血液が出てくる血管が腎静脈です。
その他にもう1本ずつ出ている管が尿管(輸尿管)といい、腎臓でつくられた尿を膀胱に送り出します。
・血液が流れ込む領域:腎皮質
・尿の途中段階の領域:腎髄質
・尿を出していく領域:腎盂
ここで血液から尿への流れにそってみていきましょう。腎動脈から入ってき来た血液は腎臓の表面側の方腎皮質まで運ばれて、一部が尿に変えられます。そしてつくられた尿が腎髄質で水分や電解質の調整をされていくのです。更に、その尿が集まって腎盂を通り、尿管に流れていきます。
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