【アミノ酸とタンパク質】タンパク質の構造とその特徴を生物専攻ライターがわかりやすく解説!<第1回>
今回から全部で4回にわたって「タンパク質」について学んでいこう。
「タンパク質」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。例えば毎日の食事では「炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂りなさい」なんて言われないか?
初回となるこの記事ではまず、タンパク質は我々ヒトにとってどんな物質なのかというところから説明しよう。その後で、じゃあそのタンパク質はどんな構造をしているのか、アミノ酸から構成されているっていうのは具体的にどういうことなのかなど、生物学的な視点から少しずつ掘り下げていこう。
この記事を読んだ諸君には、「普段の食事でタンパク質を摂ることは大事だ」ってだけでなく、生物学的な視点も持ってもらって「タンパク質はアミノ酸から構成されていて、アミノ酸どうしがペプチド結合している」なんてさらっと説明できるようになってほしいものです。
理系大学生ライターこみとりと一緒に解説していきます。
ライター/こみとり
某国立大に通う理系ライター。高校時代から生物の図説を愛読している。今回は生体を構成するのに不可欠な物質、「タンパク質」についてまとめた。
タンパク質とヒトのからだ
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栄養素としてのタンパク質
「三大栄養素」をご存じの方は多いかと思います。タンパク質・糖質(炭水化物)・脂質のことです。
一般に、タンパク質は筋肉や皮膚の原料、糖質は脳や筋肉が働くためのエネルギー源、脂質は細胞膜やステロイドホルモンの原料となります。
スポーツ経験がある方の中には、「プロテイン」を摂ったことがある方も多いのではないでしょうか。「プロテイン(protein)」とは、もともと英語の「タンパク質」という意味の単語です。日本では、「プロテイン」というと、タンパク質を効率良く摂取するためのサプリメントとして認識されています。
タンパク質の重要性
「プロテイン」の語源は、古代ギリシャ語の「プロテイオス(proteios)=最も大切なもの」という言葉なのだそう。
ヒトのからだの成分の60~66%程度が水分ですが、水分に次いで多いのがタンパク質で、およそ16%を占めます。タンパク質は生命活動において重要な役割を果たしているのです。
ちなみに、植物体では、タンパク質が占める割合はわずか2%程度といわれています。植物体で水の次に多いのは、糖質。これは、植物の細胞には糖質(セルロース)を主成分とする細胞壁があるためです。
動物と植物の大きな違いの1つですね。
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