
正義感あふれるカウボーイを演じたウィリアム・S・ハート
数あるカウボーイ映画のなかでも、正義感が強い男を演じてスターになったのがウィリアム・S・ハートです。とくに1901年代から1920年代にかけて活躍しました。スターになるきっかけを作ったのがトーマス・H・インス。初期ハリウッド映画のプロデューサーとして知られた人物です。
実際のカウボーイは仕事がら荒くれものが多かったことは事実。しかし、ウィリアム・S・ハートが演じたカウボーイはまじめな性格。これは観客がカウボーイ映画を観ることによって悪い影響をうけないように配慮してのことでした。
やんちゃなカウボーイ精神を受け継ぐトム・ミックス
正義感あふれるウィリアム・S・ハートに対して、やんちゃなカウボーイを演じて人気をはくしたのがトム・ミックス。オクラホマのワイルド・ウェスト・ショウで馬術を披露していた時期もある、馬術の達人という一面もありました。
トム・ミックスは本物のカウボーイの生活、ファッション、馬術を再現することにこだわりました。スターとして多額のお金を得るようになると本物の牧場を購入。彼がでている映画のおおくは、実際にその牧場で撮影されたと言われています。

ふたりがスターとして人気を博したのは「無声映画」の時代。それだからそこ馬術の技が活かせたのだと思う。音声付きの映画になったら、ふたりとも消えていった。声がイメージと合わなかったことも大きいらしい。
カウボーイファッションは現代に継承?

現代の生活でカウボーイの歴史を感じ取ることができるのがファッション。ジーンズ、帽子、ベルト、ブーツなど、カウボーイを思わせるファッションは多岐にわたります。アメリカはもちろん日本にもカウボーイブームが到来するに至りました。
日本にカウボーイファッションを浸透させたのは映画やテレビ
日本でカウボーイファッションが大流行するきっかけとなったのが映画やテレビ。アメリカ映画やテレビシリーズを通じてカウボーイの世界観がお茶の間に浸透。それをうけて、日本人のカウボーイ映画が製作されはじめます。
とくに有名なものが石原裕次郎のシリーズ。「日活ウェスタン」と呼ばれる映画のなかで、カウボーイの恰好をした石原裕次郎が、西部のような高原で悪党と戦いました。さらにはカウボーイの恰好をして歌う流行歌が数多く生み出されます。
カウボーイファッションが大流行した1960年代
石原裕次郎をはじめ高倉健や小林旭などの大スターがカウボーイの役を演じたことで、そのファッションをマネする若者が急増。とくにジーンズは、戦後にアメリカ軍を通じて出回っていましたが、映画やテレビの人気により若者間に浸透するようになります。
当初ジーンズはアメリカからの輸入品が中心。しかし1960年代にはいると日本メーカーによる生産が開始されます。ジーンズが市場に出回ることで、それにあわせた靴、ベルト、帽子なども流通。日本にいながらにしてカウボーイファッションを楽しむことが可能になりました。

日本におけるジーンズの生産の発祥は岡山県倉敷市。マルオ被服(現ビッグビジョン)という会社だそうだ。その歴史もあってか、現在のジーンズの生産量の日本一は岡山県とのこと。時代のつながりを感じさせるな。