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西部開拓時代に活躍した「カウボーイ」の歴史と生活を元大学教員がわかりやすく解説!

先住民(インディアン)の風習を取り入れて発達したレシピも

カウボーイは牛を輸送しているあいだ、基本的に野外で生活することになります。そのため自分が食べるものも野外で料理。カウボーイ料理のひとつといわれるのが豆料理。保存がきくことから塩漬けのベーコンとともに輸送中の食料として重宝されていました。

もともと豆料理やトウモロコシ料理は、先住民(インディアン)の伝統的な料理のひとつ。そのほか、ぶつ切りの豪快な肉料理やジャガイモ料理も先住民の食文化から影響を受けたものでした。カウボーイのレシピは、先住民(インディアン)の食文化を参考にして作られたと考えられます。

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カウボーイには「牛泥棒」という意味もあったそうだ。西部開拓時代は無法地帯も多い。カウボーイは明るく勇敢な印象があるが、どこの誰だか分からない素行不良の男たちも多かったと思う。まあ、そのくらいでないと無法地帯で生き抜くこともできないな。

カウボーイは馬術の達人?

image by PIXTA / 43496054

カウボーイと聞いたときにまず思い浮かぶのが馬に乗っている姿。アメリカ西部の広大な土地を馬に乗って自由自在に動き回る様子をイメージすると思います。実際、未開拓の地で大量の牛を輸送するなかで馬を操る技術はカウボーイになるための必須条件でした。

19世紀末にワイルド・ウェスト・ショウで見世物化された

カウボーイ=馬術の達人であることは、19世紀末にアメリカ西部で流行した「ワイルド・ウェスト・ショウ」の演出からも明らか。このショウには、白人と先住民の衝突の迫力ある再現のほかに、カウボーイの馬術を個々で披露する演目がありました。

なかには抜きんでた馬術を披露する人も。そうした演者は「本物のカウボーイ」として知名度をあげていきます。馬術を披露する様子が、世に出はじめたばかりの映画に記録され、興行プログラムの一部になることもありました。

ロデオはカウボーイ文化の名残

テレビのニュースなどで触れる機会もあるロデオ。この競技はもともとカウボーイの遊びから始まりました。カウボーイたちは、牛をかりあつめ、目的地まで輸送する長い旅をします。無事に牛を引き渡したあとの「打ち上げ」のような感じで、自慢の馬術を披露するようになりました。

当初は危険な技をくりひろげる「度胸試し」の要素が強かったとのこと。徐々にルールが定められるようになり、現在はプロスポーツ化されました。大会ではゴルフのように賞金が設定されています。そのためプロ選手はアメリカやカナダの各地をまわりながら、賞金獲得を目指しました。

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日本にいると実際にロデオをする様子を観れる機会はほとんどない。ロデオを味わってみたいなら「ロデオマシーン」を探そう。娯楽施設や大型の温泉施設などに置かれている。もし遭遇したらカウボーイの気分でチャレンジだ。

カウボーイのイメージを定着させた映画スターとは?

20世紀にはいるとアメリカでは映画が大きな産業に成長します。西部開拓時代の記憶がまだ色濃く残っていた時期に人気を獲得したジャンルのひとつがカウボーイ映画でした。

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