副詞と並んで形容詞を正しく把握できていない人は多い。「不定詞」や「関係代名詞」などのメジャーな文法事項に比べて、隙間のような存在になっているせいもあるでしょう。代表的な二つの使い方をマスターし、形容詞を使いこなせるようにしよう。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

形容詞の基本

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形容詞の使い方には、大きく二通りあります。「名詞を修飾する限定用法」と「補語になる叙述用法」です。二通りの文の構造やつくり方を身につけると「形容詞」はバッチリですよ。

名詞を修飾する「限定用法」

形容詞は名詞を修飾します。小学校の国語で「かたちやようすを表すことば」として学習した通りです。その形容詞のうち、名詞を直接修飾する用法を見ていきましょう。

形容詞単独で名詞を修飾する場合は、形容詞を名詞の前におきます。「a + 形容詞 + 名詞」という形でもよく出てきますね。

 I bought a new racket.(私は新しいラケットを買った)

次は、形容詞を名詞のあとにおいて修飾する場合です。これには、複数の語で修飾する場合、「-thing」を伴う単語の場合があります。

 The child dropped a glass full of water.(その子供はミルクでいっぱいのグラスを落とした)

 They wanted something cold to drink.(彼らは何か冷たいものものをほしがった)

補語になる「叙述用法」

形容詞が補語の役割をするケースがあり、叙述用法と言われます。文型でいうと、SVCやSVOCの補語を含む文ですね。SVCでは「S=C」の関係、SVOCでは「O=C」の関係をつくります。(S:主語、V:動詞、O:目的語、C:補語)

 Our teacher is busy. SVC(私たちの先生は忙しい)

 She keeps her room clean. SVOC(彼女は部屋を綺麗にしている)

この叙述用法でしか使えない形容詞があるので要注意です。例えば、afraid, alike, alive, alone, pleased, sorry, ill, well などがあります。

数を表す「形容詞」

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形容詞の「数を表す表現」として、「数や量を表す形容詞」や「数詞」があります。とくに「数や量を表す形容詞」は間違い安いものも多いので、細かく見ていきましょう。

\次のページで「数や量を表す「形容詞」」を解説!/

数や量を表す「形容詞」

数や量を表す形容詞としては、代表的なものにmany, much, a few, a littleなどがあります。これらは、数えられる名詞に使うものと数えられない名詞に使うものに分かれますよ。

数えられる名詞にはpencil, apple, carなどがあり、many(たくさんの), few(ほとんどない), a few(少しある)などを使います。

 There are many pencil on the desk.(机の上にたくさんの鉛筆がある)

数えられない名詞にはwater, money, timeなどがあり、much(たくさんの), little(ほとんどない), a little(少しある)などを使いますよ。

 I had little time to talk with my mother.(私は母と話す時間がほとんどなかった)

どちらでも使える表現として、いずれも「たくさんある」ことを意味する「a lot of」や「lots of」があります。

そのほか、「several(いくつかの)」「enough(十分にある)」「most(大部分の)」なども数や量を表す形容詞ですね。

数詞

最後に数詞を確認しておきましょう。独特な形容詞ですが、やはり名詞の修飾をしますね。

数を表す「基数」は、one, two, three…ですね。一方、順序を表す「序数」は、first, second, third…となります。

大きな数を表す際は、日本語と違う部分に注意しましょう。日本語は4桁ずつで区切って考えますが、英語では3桁ずつで区切ります。3桁目のコンマは「thousand」、6桁目のコンマが「million」です。日本語の「123万4567」は数字で表すと「1,234,567」、読み方は「one million, two hundred thirty-four thousand, five hundred sixty-seven」になります。

形容詞をつかいこなすには、二つの用法を理解しよう!

今回は「形容詞」について、「形容詞の基本」や「数を表す表現」を見てきました。形容詞の基本では、名詞を直接修飾する「形容詞」と補語になる「形容詞」の見極めがポイントです。前後の形容詞を修飾しているのか、補語として主語や目的語とイコールの関係をつくっているのかをチェックしましょう。

数や量を表す形容詞では、「数えられる名詞」と「数えられない名詞」との判別が必要になります。「time」や「money」は数えられそうに思えますが、単位をつけないで「時間がない」「お金がない」などというときは具体的に数えられる数字をイメージして言っているわけではないので数えられない名詞です。

形容詞を理解することによって、文の構造が把握できるようになりますよ。形容詞にも注目してみましょう。

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【英語】現役塾講師が「形容詞」をわかりやすく解説!二つの使い方を理解して形容詞をマスターしよう

副詞と並んで形容詞を正しく把握できていない人は多い。「不定詞」や「関係代名詞」などのメジャーな文法事項に比べて、隙間のような存在になっているせいもあるでしょう。代表的な二つの使い方をマスターし、形容詞を使いこなせるようにしよう。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

形容詞の基本

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形容詞の使い方には、大きく二通りあります。「名詞を修飾する限定用法」と「補語になる叙述用法」です。二通りの文の構造やつくり方を身につけると「形容詞」はバッチリですよ。

名詞を修飾する「限定用法」

形容詞は名詞を修飾します。小学校の国語で「かたちやようすを表すことば」として学習した通りです。その形容詞のうち、名詞を直接修飾する用法を見ていきましょう。

形容詞単独で名詞を修飾する場合は、形容詞を名詞の前におきます。「a + 形容詞 + 名詞」という形でもよく出てきますね。

 I bought a new racket.(私は新しいラケットを買った)

次は、形容詞を名詞のあとにおいて修飾する場合です。これには、複数の語で修飾する場合、「-thing」を伴う単語の場合があります。

 The child dropped a glass full of water.(その子供はミルクでいっぱいのグラスを落とした)

 They wanted something cold to drink.(彼らは何か冷たいものものをほしがった)

補語になる「叙述用法」

形容詞が補語の役割をするケースがあり、叙述用法と言われます。文型でいうと、SVCやSVOCの補語を含む文ですね。SVCでは「S=C」の関係、SVOCでは「O=C」の関係をつくります。(S:主語、V:動詞、O:目的語、C:補語)

 Our teacher is busy. SVC(私たちの先生は忙しい)

 She keeps her room clean. SVOC(彼女は部屋を綺麗にしている)

この叙述用法でしか使えない形容詞があるので要注意です。例えば、afraid, alike, alive, alone, pleased, sorry, ill, well などがあります。

数を表す「形容詞」

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形容詞の「数を表す表現」として、「数や量を表す形容詞」や「数詞」があります。とくに「数や量を表す形容詞」は間違い安いものも多いので、細かく見ていきましょう。

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