今日は英単語の覚え方について学んでいこう。

受験において英語はほとんどの場合、必須科目です。そして英語を理解するためには英単語の習得が欠かせない。
しかし大学受験に必要な英単語の数は3000から6000語だといわれている……気が遠くなりそうですが、コツを掴めば必要な分を習得できるはずです。

いいか! 英単語を覚えるときに重要なのは「学習効率」です!

ここからは元塾講師で、英語に強いライター四郎を招いた。一緒に解説していきます。

ライター/四郎

偏差値70超の私立高校から、早慶や国公立大学を現役で合格。複数の学習メディアで執筆を行う受験ライター。今回は得意分野のひとつである「英語」から記事をまとめた。

英単語を覚えるとは?

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そもそも「英単語を覚える」というのはどういう状態をさすのでしょうか?単語帳に書かれている英単語を目で見て、そこに書かれた文字を暗記すること?いいえ、それだけでは「覚えた」とはいえません。

「覚えた」というのは教材に書かれた文字・センテンスをただ暗記するだけではなく、その意味や方法を理解し、実際の試験のときに知識として素早く取り出せることをいいます。それができて初めて「英単語を覚えた」といえるでしょう。

受験勉強においてはするべきことが多すぎて、暗記系の知識はつい機械的に覚えようとしてしまいがちです。しかし単語同士を関連させたり、文法の中に取り入れたりすることでより効果的・効率的に覚えることができるようになります。

ここではそういった様々な工夫も紹介していくので、この機会に英単語の効率な覚え方を身につけましょう。

英単語の覚え方~まずは体に染み込ませろ!~

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その1 目で見て覚える

手帳サイズやポストイットサイズの単語帳を黙読することで英単語を覚える方法です。通学時・移動時の電車やバスの中など、紙に書いたり声を出したりすることがむずかしい環境に向いています。

実際に電車に乗っていると制服姿の学生が手元の単語帳をぱらぱらとめくっている姿を見かけることがあるでしょう。あのように手持ちぶさたになる時間を有効活用するのに向いています。

その2 口に出して覚える

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単語帳の中の英単語を黙読するだけではなく、実際に声に出して発音することです。自分の口から声に出し、それを自分の耳に聞かせることで一般的には黙読するだけよりも英単語を覚えやすくなるといわれています。

\次のページで「その3 手で書いて覚える」を解説!/

その3 手で書いて覚える

単語帳の中の英単語を黙読するだけではなく手元のノートなどに書いて覚える方法です。手を動かすことで神経が刺激されるため、これも一般的には黙読するだけより英単語を覚えやすくなるといわれています。

その4 耳で聞いて覚える

CD教材や映画などを繰り返し聴いて覚える方法です。移動中など空いた時間を有効に活用することができます。また自分が好きな映画作品なら楽しみながら学習ができるかもしれません。そういう風に勉強の合間の気分転換とすることもできます。

勉強は長く険しく、ときにつらいときもあるはずなので自分なりのリフレッシュ法を見つけておきましょう。

英単語の覚え方~もっと効率を上げるならこれだ!~

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その5 単語の時制や各品詞形をまとめて覚える

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ある英単語を覚えるときに、その英単語の『時制による変化』や『名詞形、動詞形、形容詞形』などをまとめて覚えることで定着率を高めることが可能になります。

『時制による変化』では「write」という英単語を例にしましょう。これは「書く」という意味の動詞の現在形ですが、これを覚えるときにはその過去形である「wrote」、過去分詞形である「written」も同時に覚えます。そして「write-wrote-written」と一つのセンテンスとして記憶するのです。そうすることで記憶として取りだしやすくなります。

『名詞形、動詞形、形容詞形』では「create」という英単語を例に取りましょう。これは「創造する」という意味の動詞ですが、これを覚えるときにはその名詞形「creation」や形容詞形「creative」も覚えるのです。そしてやはり「create-creation-creative」と一つのセンテンスとして記憶しましょう。

このように時制による変化や各品詞形をまとめて覚えることは英作文のレベルの向上にもつながります。

\次のページで「その6 英単語を分解する」を解説!/

その6 英単語を分解する

ある程度の個数を覚えてくると、英単語の多くが一定の規則にもとづいてつくられていることに気がつくでしょう。実は英単語の多くは『接頭辞+語幹+接尾辞』という構造をしているのです。

例えば「inavailable」。これは「利用できない」という意味の形容詞ですが、この英単語は『接頭辞+語幹+接尾辞』に分解することができます。

まず接頭辞の「in」、これは「~できない」という否定の意味合いです。

次に語幹の「avail」、これは「利用する」という意味を持っています。

そして接尾辞の「able」、これは「~ができる」という意味です。

「available」という「利用できる」という意味の単語があり、それに否定の接頭辞「in」がくっついて「inavailable」になっていることがわかるでしょう。
そのため「inavailable」という単語自体を知らない、もしくはその意味を忘れてしまっていても接頭辞、語幹、接尾辞をそれぞれ理解していれば、そこから「利用できない」という意味を導き出すことが可能となるのです。

またよく出てくる接頭辞、接尾辞を覚えておくことをおすすめします。そうすることで初めて目にする難解な英単語でもその意味を推測するヒントにすることができるようになるのです。

実際のところ、難関といわれている大学の二次試験には高校生レベルとは思えないような英単語が出てきます。これはその英単語を覚えているかどうかよりも、前後の文脈からその意味を推測する能力があるかを見ているともいわれているようです。そのとき接頭辞、語幹、接尾辞のうちどれか一つでも理解できれば推測がずっと楽になりますよ。

その7 CDをフル活用する

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英単語帳や教材には付録としてCDがついてくることがあるでしょう。このCDは耳――リスニングを通して英単語を覚えられるようになっているので、活用することをぜひともおすすめします。今はCDの内容をスマートフォンや音楽プレーヤーに簡単に落とすことができるので、通学・移動時間や待ち時間をより有効に活用できるようになるのです。

わたしたち日本人は普段から英語に接する機会が少ないことが英語を学ぶときの大きな障害になっているといわれています。そのため暇なときに英語・英会話を常に耳にすることで英語に触れている時間が伸びて英語そのものに対する親和性が高まり、英語の学習効率をおおきく向上させることができるのです。

とくに英単語帳・教材の付録のCDはその内容が本紙にシンクロしていることがほとんどのはず。単語を目で読み、耳で聞けば、入ってくる情報量は倍になります。またそれにプラスして口で発音したり、紙に書いたりすればその学習効率を何倍にも跳ね上げることが可能となるでしょう。

手元にあるけれど活用していないCDがあるなら、これを機会にぜひとも活用してください。

その8 『忘却曲線』に合わせて復習する

人間は一度覚えたことでも時間がたつとその内容を忘れてしまう生き物です。

心理学者ヘルマン・エビングハウスは人間がものごとを忘れていくスピード・度合いを『忘却曲線』としてグラフ化しました。その忘却曲線によると、人間の記憶は覚えた瞬間の20分後には42%、1時間後には56%、1日経つと74%、そして1週間後には77%が失われます。

この数字を見て驚かれた人がほとんどではないでしょうか?人間は一度覚えたことでも一日経つとそのほとんどを忘れてしまうのです。しかし1日で74%忘れるのに対して、それから6日経った1週間後には77%、つまりそのあいだには3%の記憶しか失われていないこともわかります。

これが意味するものは何か?

それは、人間は一度覚えたことの大半をすぐに忘れてしまう(短期記憶)ものの、その一方で一度覚えたらなかなか忘れない領域(長期記憶)もある、ということです。そのため忘却曲線にもどづいて忘れていく記憶をきちんと復習していけば、長く覚えていられる領域(長期記憶)を増やすことができる=記憶の定着へとつなげることができます。

ここでは定期的な小テストを行うことが有効です。一度覚えた単語をそのままにせずに勉強してから20分後、1時間後、1日後、1週間後……というように小テストを行う間隔を忘却曲線に合わせて徐々に広げていくことで記憶のバックアップが可能となります。

\次のページで「その9 映像イメージで覚える」を解説!/

その9 映像イメージで覚える

膨大な英単語を覚える一つの手段として、映像と結びつけるというのがあります。これはとてもシンプルで、例えば「apple(林檎)」という単語を覚えるときには林檎そのものを映像として一緒にイメージしてみてください。そうするとappleという単語を目にする、耳にすると林檎が思い浮かぶようになります。

この方法は微妙なニュアンスの違いがある単語を覚える際に大きな助けとなるでしょう。たとえば「like」と「love」と「cherish」という単語、これらはどれも「好き」という意味を持っていますがもちいるシーンは異なります。

「like」はあくまで軽い意味での好きなので、「I like apples(僕は林檎が好きだ)」のような「ものの好み」などにおもに使われるものです。

「love」は強い感情を持った言葉で、そのため「I love my wife(わたしは妻を愛している)」のように「like」よりも強い気持ちを表したいときにもちいられます。

「cherish」は「愛情をこめて大事にする」という意味を持つため、「He wolud cherish his granddaughter(彼は孫娘を可愛がった)」というように使われることが多いです。

このニュアンスの違いは単に「好き」という意味で覚えるとぼやけてしまいます。そこで「like」という単語を覚えるときには「林檎を持って笑っている少年」、「love」なら「教会で指輪を交換している夫婦」、cherishなら「孫を見てほほ笑む老人」というように映像イメージと一緒に覚えることでその微妙なニュアンスも把握できるようになるのです。

自分に合った覚え方・学習方法を見つけよう!

英単語を覚えないことには英語の点数をあげることはできません。なぜなら英単語は英語そのものだからです。しかし実際の受験においては他にも勉強するべき科目がたくさんあり、英単語を覚えることに多くの時間を割いていられない……

だからこそ英単語を覚えるときに重要なのが「学習効率」となります。

空いた時間や移動中に黙読する、声に出す、耳で聴く……時制の変化や各品詞形をまとめて覚える……アプローチの方法はさまざまですが、大切なのは自分に合ったものを選びとることです。学習効率を意識して、賢く英単語を覚えていきましょう!

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英語の勉強法

【元塾講師が教える】英単語の効率的な覚え方は創意工夫にあり?とっておきの勉強法を公開!

その3 手で書いて覚える

単語帳の中の英単語を黙読するだけではなく手元のノートなどに書いて覚える方法です。手を動かすことで神経が刺激されるため、これも一般的には黙読するだけより英単語を覚えやすくなるといわれています。

その4 耳で聞いて覚える

CD教材や映画などを繰り返し聴いて覚える方法です。移動中など空いた時間を有効に活用することができます。また自分が好きな映画作品なら楽しみながら学習ができるかもしれません。そういう風に勉強の合間の気分転換とすることもできます。

勉強は長く険しく、ときにつらいときもあるはずなので自分なりのリフレッシュ法を見つけておきましょう。

英単語の覚え方~もっと効率を上げるならこれだ!~

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その5 単語の時制や各品詞形をまとめて覚える

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ある英単語を覚えるときに、その英単語の『時制による変化』や『名詞形、動詞形、形容詞形』などをまとめて覚えることで定着率を高めることが可能になります。

『時制による変化』では「write」という英単語を例にしましょう。これは「書く」という意味の動詞の現在形ですが、これを覚えるときにはその過去形である「wrote」、過去分詞形である「written」も同時に覚えます。そして「write-wrote-written」と一つのセンテンスとして記憶するのです。そうすることで記憶として取りだしやすくなります。

『名詞形、動詞形、形容詞形』では「create」という英単語を例に取りましょう。これは「創造する」という意味の動詞ですが、これを覚えるときにはその名詞形「creation」や形容詞形「creative」も覚えるのです。そしてやはり「create-creation-creative」と一つのセンテンスとして記憶しましょう。

このように時制による変化や各品詞形をまとめて覚えることは英作文のレベルの向上にもつながります。

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