物理物理学・力学理科

Eureka!「浮力」を理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木健二だ。今回は浮力について解説していくぞ。

浮力って日常生活でも良く使う言葉だな。ところが本当の物理的意味を理解しているヤツはあまりいないかもな。浮力について物理系ライターのタッケさんと解説するぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。今回はアルキメデスの原理で有名な浮力について解説する。

アルキメデス

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By 不明 – Historia N° 767 – Novembre 2010 – page 38, パブリック・ドメイン, Link

皆さん!アルキメデスをご存知ですか?
なんとなく聞いたことがある。という人も多いのではないでしょうか。彼は、紀元前287年、現イタリアのシチリア島シラクサで生まれたと伝えられています。

彼は当時、第一級の科学者として名高く、その活躍は物理学、天文学、数学、発明など多岐の分野に及びました。さらに軍事関係においても武器の製作立案などに関わったといわれています。

アルキメデスの、浮力に関する有名なエピソードとして知られているのは次の逸話です。

シラクサの王が王冠を作らせました。しかし、あるうわさが町をかけ抜けます。それは、「職人は王から預かった金に銀を混ぜて王冠を作り、あまった金を盗んだ」といううわさでした。

さて、うわさを気にした王はアルキメデスに事の真偽を確かめるよう依頼します。ただし、王冠を傷つけてはならないというのが条件です。

ところで、金と銀はその密度に大きな違いがあります。
金・・・19.5 g/wp_3
銀・・・10.5 g/wp_3
つまり、同じ体積で比べると金は銀の約二倍ほどの質量を持つのです。(密度・・・単位体積あたりの質量)同じ体積で比べる場合、金は銀よりかなり重いということですね。

そうすると、王冠に銀が混ぜられていた場合、王冠の体積は同じ質量の金の体積よりも小さくなりますか?大きくなりますか?ここはちょっと良く考えてください。

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そうですね・・・体積は大きくなります。

体積を比較するには、王冠を溶かせばよいのでしょうが、それはできません。
アルキメデスは考えに考え抜いた結果、ついにその方法を思いつきます。

言い伝えによると、彼は風呂場であふれ出るお湯を見てその方法を思いつき、うれしさのあまりエウレカ!エウレカ!と叫んで裸のまま通りへ駆け出したということです。

アルキメデスの方法とは

image by iStockphoto

ではアルキメデスはどのような方法でこの難問を解決したのでしょうか?
ここでは、このようにしたのではないか?と後世推測されている方法をご紹介いたします。

天秤を用意し、片方に王冠を、もう片方に同じ重さの金の塊をつけましょう。さて、これらはつりあっていて、天秤は水平を保っていますよね。同じ質量だから当然のことです。

次にこの天秤をそのまま水の中へ沈めます。そうしても、同じ金100%同士なら天秤はそのまま水平を保つはずです。しかし、もし、王冠に混ぜものがしてあって、その体積に違いがあれば天秤は傾くのですが、なぜだかわかりますか。

実験の結果、天秤は傾き、職人の不正が明らかになりました。言い伝えによると、この不正により職人は死刑に処せられたということです。

さて、この場合、王冠を載せた天秤は水中で上に傾いたのか?下に傾いたのか?どちらでしょうか。

答えはこの記事の最後にお教えします。

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ふむ、興味深い話だな?

さあ、問題を考えるんだ!
次からアルキメデスの原理について解説していくから、記事をよく読んで考えるんだ。

こういったことを、すぐに答えを見ずに、てめえの脳みそで考えてみることが大事なんだよ。これをメンドクセーなんて思うやつは伸びないぞ!

\次のページで「アルキメデスの原理」を解説!/

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