
3分で簡単「血液凝固」の仕組み!現役理系塾講師がわかりやすく解説
反応2 フィブリノーゲンがフィブリンに進化
反応1と同時並行で起きているのが反応2です。
血漿に含まれるフィブリノーゲンという物質が反応1で作られたトロンビンの作用によってフィブリンという物質に変化します。
このフィブリンは網目状の構造をしているので、かさぶたを作るのに非常に重要な役目を担っているのです。
反応3 フィブリンが血餅を形成しかさぶた完成!

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血液凝固の最後のステップがこの反応3です。最後は反応2で作られたフィブリンが血液中の白血球と赤血球と結合し血餅を作ります。そして、この血餅こそがみなさんも目にしたことがある「かさぶた」の正体です。
フィブリンは網目状の構造をしているので、その網目状構造の隙間に白血球や赤血球が絡みつき、かさぶたになります。
ちなみに血液凝固が終わりかさぶたができると、その部分の血管には赤血球がたくさん集まっているということなので、ごく稀にそこに血栓が形成されてしまうということもあるみたいです。気をつけてくださいね。
血液凝固を意図的に阻止することもある
血液凝固について今回の記事で理解してもらえたかと思います。
実は医療の現場では、あえて血液凝固の反応を阻止することもあるのはご存知でしたか?
例えば血液検査。みなさんも一度は経験したことがあると思います。血液検査の時にもしも採血した血液が固まってしまったら検査のしようがありません。
そこで血液の入った試験管に加えるのが、クエン酸ナトリウムです。これを加えることでカルシウムイオンが沈殿してしまうので、プロトロンビンがトロンビンに変化することができません。
このように、血液凝固についてだけ学ぶよりも、その周辺知識も一緒に勉強するとより学ぶことが楽しくなりますよね。