
3分で簡単「血液凝固」の仕組み!現役理系塾講師がわかりやすく解説
液体だけどマルチな才能「血漿」
血液成分の中で唯一の液体成分が血漿(けっしょう)。
この血漿が血液の約55%を占めています。液体成分なので、そのはたらきは血球などの有形成分を血管内で運搬することです。つまりこの血漿がなければ、血液とは言えません。
血漿の成分としては、その9割を水が占め、残りはタンパク質、無機塩類、その他有機物になります。この成分の中でも重要ものがタンパク質です。このタンパク質の中に含まれているものこそ、血液凝固に関わる物質「フィブリノーゲン」。
唯一の液体成分である血漿も血液凝固に関与するのですね。
<血液成分のまとめ>
・有形成分
赤血球→酸素運搬に関わる
白血球→免疫に関わる
血小板→血液凝固に関わる
・液体成分
血漿→物質運搬に関わる
血液凝固の過程

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ここからはこの記事の本題、血液凝固の仕組みに迫ります。たくさんの物質名が出てきますが、初めに血液凝固に関与する因子について紹介するのでついてきてくださいね。
血液凝固に関与する因子
血液凝固の具体的な仕組みに入る前に、血液凝固に関与する血液成分以外の因子を紹介します。ここでは血液凝固の全体像をつかみやすくするために、紹介する因子は高校生物レベルです。
必ず覚えておいてもらいたい血液凝固因子は、
・フィブリノーゲン
・フィブリン
・カルシウムイオン
・プロトロンビン
・トロンビン
実際にはこれ以外にもいくつか血液凝固に関与する物質は存在します。しかしそれらは医療に携わることがない限り、覚えておく必要はありません。
つまり、今回はここで紹介した血液凝固因子を頭の中に入れて、血液凝固の仕組みを学んでいきましょう!
反応1 プロトロンビンがトロンビンに進化
血液凝固はプロトロンビンがトロンビンに変化することが土台になります。
プロトロンビンとは、血漿に含まれる血液凝固因子の一つです。このプロトロンビンにカルシウムイオン、血小板、組織に含まれるトロンボブラスチン、その他血液凝固因子が作用して、トロンビンに変化します。
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