今回は「副詞」に注目していく。「名詞」や「動詞」は理解できていても、「形容詞」や「副詞」はわかっていないという人は多い。その最大の理由は、役割と位置をわかっていないからです。自信を持って「副詞」を使うことができるようポイントを紹介する。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「副詞」の基本

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「副詞の役割は何ですか?」と聞かれてスラスラ答えられる人は意外に少ないかもしれません。しかし、これを知らずして「副詞」を使いこなすのは難しいので、やはり正確に知っておきましょう。

簡潔に言うと、「形容詞」が名詞の修飾をするのに対し、「副詞」は名詞以外を修飾します。「動詞」を修飾するのも、「形容詞」を修飾するのも、さらには「副詞」を修飾するのも「副詞」というわけです。

これを前提にして、副詞の基本について見ていきましょう。

働きと位置

副詞の基本的な働きは、主に4つあります。動詞を修飾する場合、形容詞を修飾する場合、副詞を修飾する場合、文全体を修飾する場合です。働き別に位置を見ていきましょう。

<動詞を修飾する場合> 副詞の種類によって位置が異なりますよ。

 ようすを表す副詞:動詞の後ろや文末におきます。slowly, carefullyなど。
 I study English hard.(私は一生懸命英語を勉強する)

 頻度を表す副詞、否定の副詞:一般動詞の前またはbe動詞や助動詞の後ろ。always, oftenなど。
 He usually walks to school.(彼は普段歩いて学校に行く)
 I have never been to America.(私はアメリカに行ったことがない)

<形容詞や副詞を修飾する場合> 主にその前におきます。
 She plays tennis very well.(彼女はとても上手にテニスをする)

<文を修飾する場合> さまざまな位置におかれますが、文頭が代表的。
 Surely you will pass an examination.(きっとあなたは試験に合格するでしょう)

形と意味

副詞の形は特徴があるものもありますし、見分けづらいものもあります。ここでは、それぞれの例を紹介しましょう。

特徴があるものとしては「形容詞+ly」です。形容詞の語尾に「-ly」がついたもので、形容詞「slow(遅い)」→副詞「slowly(ゆっくりと)」、形容詞「true(本当の)」→副詞「truly(本当に)」などがあります。

見分けづらいものとしては「形容詞」と「副詞」が綴りが同じものです。例としては、「fast」は形容詞の意味は「速い」で副詞の意味は「速く」、「well」なら形容詞の意味は「元気な」で副詞の意味は「上手に」などがあります。

\次のページで「注意すべき「副詞」」を解説!/

注意すべき「副詞」

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注意すべき「副詞」として、場面によって使い分ける必要がある紛らわしい語のほか、別の品詞と間違いやすい語があります。これらをここでチェックしておきましょう。

紛らわしい「副詞」

紛らわしい「副詞」として、「very」と「much」があります。これらは、場面によって使えるケースが違ってくるので細かく確認しておきましょう。

「very」は、動詞を修飾できず、形容詞や副詞は原級を修飾できます。分詞に対しては、形容詞化した分詞なら修飾できます。

 分詞の修飾例:That was a very moving movie.(それはとても感動する映画だった)

「much」のほうは、動詞の修飾ができますが肯定文では「very much」として使うのが一般的です。形容詞や副詞の修飾は比較級や最上級の場合のみ。また、分詞の修飾は受動態の過去分詞のみ可能です。

 副詞の修飾例:I got up much earlier than my brother.(私は弟よりずっと早く起きた)

副詞に見えない「副詞」

一見すると、別の品詞に思えるような「副詞」には注意が必要です。ここでは、「there」「here」「home」「abroad」について確認していきます。

「there(そこで、そこに)」と「here(ここで、ここに)」は、主語でも使われますし、後ろで行き先を示す場合にも使われますよ。いずれも「〜に向かって」という意味まで含まれており、動詞を修飾することになるので「副詞」ですね。

「home」は名詞も副詞もどちらでも使える単語です。「〜に向かって」という意味も含む場合は「副詞」になります。「go to home」と言わず「go home」となるのは「〜に向かって」という意味を含んでいるからです。

最後の「abroad」は副詞しかありません。こちらも「向かって」いく意味を含んでおり、「go to abroad」と言わず「go abroad」です。

「副詞」は役割や働きから見極めよう!

英語の「副詞」について、基本や注意すべきことを見てきました。副詞の位置は絶対的とは言えない部分もありますが、副詞を働きから分類しておくことで使いこなせるようになりますよ。

「紛らわしい副詞」は場面によって使い分ける必要があるので要注意ですし、「副詞に見えない副詞」では「〜に向かって」を含むかどうかを考えて見極めるようにしましょう。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】「副詞」を現役塾講師がわかりやすく解説!役割と位置をマスターして「副詞」を得意に! – Study-Z
英語の勉強法

【英語】「副詞」を現役塾講師がわかりやすく解説!役割と位置をマスターして「副詞」を得意に!

今回は「副詞」に注目していく。「名詞」や「動詞」は理解できていても、「形容詞」や「副詞」はわかっていないという人は多い。その最大の理由は、役割と位置をわかっていないからです。自信を持って「副詞」を使うことができるようポイントを紹介する。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「副詞」の基本

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「副詞の役割は何ですか?」と聞かれてスラスラ答えられる人は意外に少ないかもしれません。しかし、これを知らずして「副詞」を使いこなすのは難しいので、やはり正確に知っておきましょう。

簡潔に言うと、「形容詞」が名詞の修飾をするのに対し、「副詞」は名詞以外を修飾します。「動詞」を修飾するのも、「形容詞」を修飾するのも、さらには「副詞」を修飾するのも「副詞」というわけです。

これを前提にして、副詞の基本について見ていきましょう。

働きと位置

副詞の基本的な働きは、主に4つあります。動詞を修飾する場合、形容詞を修飾する場合、副詞を修飾する場合、文全体を修飾する場合です。働き別に位置を見ていきましょう。

<動詞を修飾する場合> 副詞の種類によって位置が異なりますよ。

 ようすを表す副詞:動詞の後ろや文末におきます。slowly, carefullyなど。
 I study English hard.(私は一生懸命英語を勉強する)

 頻度を表す副詞、否定の副詞:一般動詞の前またはbe動詞や助動詞の後ろ。always, oftenなど。
 He usually walks to school.(彼は普段歩いて学校に行く)
 I have never been to America.(私はアメリカに行ったことがない)

<形容詞や副詞を修飾する場合> 主にその前におきます。
 She plays tennis very well.(彼女はとても上手にテニスをする)

<文を修飾する場合> さまざまな位置におかれますが、文頭が代表的。
 Surely you will pass an examination.(きっとあなたは試験に合格するでしょう)

形と意味

副詞の形は特徴があるものもありますし、見分けづらいものもあります。ここでは、それぞれの例を紹介しましょう。

特徴があるものとしては「形容詞+ly」です。形容詞の語尾に「-ly」がついたもので、形容詞「slow(遅い)」→副詞「slowly(ゆっくりと)」、形容詞「true(本当の)」→副詞「truly(本当に)」などがあります。

見分けづらいものとしては「形容詞」と「副詞」が綴りが同じものです。例としては、「fast」は形容詞の意味は「速い」で副詞の意味は「速く」、「well」なら形容詞の意味は「元気な」で副詞の意味は「上手に」などがあります。

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