量子力学が生まれるきっかけとなった「光電効果」を元理系大学職員がわかりやすく解説
日焼けは肌で起こる光電効果!?
日焼けは太陽からの紫外線が原因、というのはよく知られていることでしょう。ですが、太陽から降り注いでくる光には、紫外線以外にも様々な波長(振動数)を持ったものが含まれています。
他の成分はなぜ日焼けの原因とならないのでしょうか。
これは光電効果によって説明することができます。太陽光に含まれる振動数の小さい光は、皮膚の細胞と光電効果を起こせません。それに対して紫外線は振動数が大きいため、細胞中の電子を叩き出し、日焼けの要因を作ってしまうのです。
微弱な光を捉える科学者たちの「目」、光電子増倍管
肉眼では全く見えないほど微弱な光を捉える検出器で、医療機器のPET装置などに使われています。また素粒子を研究する分野でも広く用いられており、スーパーカミオカンデ実験などが代表的な例です。
光電子増倍管には光電面と呼ばれる半球状の金属ガラス部分があり、そこに光が入ってくると、光電効果で電子が弾き出されます。すると、この電子は検出器の後ろ側についている電極が何枚も連なった場所に飛んで行き、数百万倍以上に増幅されるのです。この増幅された信号を検出することで、極めて微弱な光も人の目で見ることが出来るようになります。
光電効果は量子力学への扉を開いた、重要な発見
光電効果は、これまでの「光は波である」という古典的な物理描像が書き換わるきっかけを与えました。それにより、光は波の性質と粒子の性質を併せ持つという、これまでの考え方ではあり得なかった姿を持つようになります。そしてこの概念の転換を契機に、物理学には相対性理論や量子力学といった現在の物理学において基礎となる二つの理論が登場して、自然にまつわる様々な謎を解き明かしていくのです。

