運動の法則は物理学を学ぶ上で一番最初に触れる考え方です。物体の運動などを理解するには、欠かせないものとなる。
大学・大学院では物理学を専攻していた理系ライターのひいらぎさんと一緒に、この運動の法則を解説していきます。
ライター/ひいらぎさん
10 年以上にわたり素粒子の世界に携わり続けている理系ライター。中でもニュートリノに強い興味を持っており、その不思議な性質を日夜追いかけている。今回は物理学の入り口とも言える運動の法則についてまとめた。
三つの柱で作られる、運動の法則
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運動の法則は、イギリスの物理学者アイザック・ニュートンが1687年に発表した『プリンキピア』という書籍の中で提唱した力学の理論(ニュートン力学と呼ばれます)を支える三つの法則のことです。その三法則は次のように表現されます。
・第一法則: 慣性の法則
・第二法則: 物体の運動状態の変化と物体に作用する力の関係
・第三法則: 作用・反作用の法則
ニュートンの生み出した力学体系「ニュートン力学」
アイザック・ニュートンは物理学者であると同時に、哲学者や数学者、天文学者、はては神学者でもある多彩な人物だったと言われています。
ニュートンは、紀元前のギリシア時代から17世紀にいたるまで、ガリレオ・ガリレイなど多くの自然科学者たちが積み上げてきた物体の運動に関する知識を、数式を使って一つの理論としてまとめ上げました。これをニュートン力学と呼んでおり、今日、物理学の基本の一つとなっています。
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