物理物理学・力学理科

【物理】力学的エネルギー保存の法則を5分で学ぼう!力学系学生が例題を通してわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。
今回は力学的エネルギー保存則についての話だ。
例えば、ボールを坂から転がすとしよう。坂の低いところと高いところ、どちらから転がすとボールは速くなるかはわかるな?
その運動について科学的に説明しよう。

今回は力学をよく知る、建築構造力学を専攻するライター、ユッキーと一緒に解説していこう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ユッキー

建築学科で構造力学を専攻している大学生。小学校から高校と理科系クラブに所属しており、高校ではクラブ内の研究を海外で英語発表することも経験した。

1 まず、力学的エネルギーとは

image by iStockphoto

最初に、力学的エネルギーとは何かの整理を行いましょう。

力学的エネルギーとは、その名の通り物体が保持しているエネルギーのことです。

例えばある速度でボールが転がっているとします。そのボールにはその速度で運動しているだけのエネルギーが存在している、という考え方です。

では、具体的にはエネルギーにはどんな種類があるのでしょうか。

まず押さえておいてもらいたいものは運動エネルギーと位置エネルギーです。

それぞれ、以下の式で表されます。

運動エネルギー
E=1/2 mv^2

位置エネルギー
E=mgh

m:質量(kg) v:速度(m/s) g:重力加速度(m/s^2) h:高さ(m)

運動エネルギーはある速度で物体が運動しているとき、物体が持っているエネルギーのことです。対して位置エネルギーは物体がある高さにあるときに、物体が持っているエネルギーを表します。

さて、この2つを最初に紹介した理由は、これらがエネルギーの中でも頻出で、かつ保存力が行う仕事であるからです。

エネルギーは、ある力が仕事を行うことで変化します。保存力というのは、力の中でも、表題でもある「力学的エネルギー保存則」内に存在するエネルギーを生み出します。

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力学的エネルギーの代表的なものは運動エネルギー、位置エネルギーのふたつだな。

それぞれ名前のとおり運動しているときある高さにあるときのエネルギーのことだ。

では、力学的エネルギー保存測の中身に入っていこう。

2 力学的エネルギー保存測

2 力学的エネルギー保存測

image by Study-Z編集部

例えば図のように重さmの球を、摩擦のない斜面のうち地面から高さhのところに置くとします。この球から手をはなすと、球は斜面を転がっていくことは想像がつくでしょう。この球が地面に達した瞬間の速度をvとします。このとき、球が高さhにあるときの位置エネルギーと、球が床面に達したときの運動エネルギーは等しくなります

これが力学的エネルギー保存測です。

式で表すと以下のようになります。

mgh=1/2 mv^2

\次のページで「2-1 保存測を用いた例題」を解説!/

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