#1 ホルモンは、特定の細胞でつくられる
ホルモンは基本的に、内分泌腺という器官にある腺細胞でつくられます。「体中のどの細胞でもつくれる」という代物ではありません。
内分泌腺には、脳下垂体や甲状腺、副腎などがあります。「どのホルモンがどの内分泌腺でつくられるのか」を覚えることはなかなか大変ですが、高校の生物学では重要な学習事項です。
#2 ホルモンは、特定の組織や器官の細胞(標的細胞)ではたらく
体内では常に複数のホルモンが分泌されていますが、それぞれのホルモンが作用できるのは、特定の細胞=『標的細胞』に限られます。標的細胞には特定のホルモンを受け取ることができる『受容体』があり、受容体にホルモンが結合することで効果を発揮するのです。
逆に、そのホルモンの受容体をもっていない細胞に対しては、ホルモンは作用できません。
#3 ホルモンは、体液にのって移動する
あるホルモンを分泌する内分泌腺と、そのホルモンの標的細胞は、遠く離れたところに位置していることが少なくありません。ホルモンは、血液などの体液にのって流れることで、内分泌腺から標的細胞までを移動します。
標的細胞にたどり着いても受容体に空きがなかったときは、体をもう一周して再度標的細胞にたどり着くこともあるんです。神経のように直接つながっていない場所にも情報伝達ができる、便利なシステムといえます。
#4 ホルモンは、少量でもよく効く
ホルモンはほんのわずかな量でも標的細胞で効果的に作用することが知られています。一説には、「50メートルプールにスプーン一杯ほどの濃度でも十分はたらく」といわれるほどです。
そのため、わずかなホルモンの過剰や不足でも、体には大きな影響を与えます。内分泌腺の不調・異常によって引き起こされる病気もあるため、各ホルモンの分泌量の調節はとても大切です。
ホルモンにはどんな種類がある?
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ホルモンはその構造によって、大きく3つのグループに分けられています。『ペプチドホルモン』、『ステロイドホルモン』、そして、『アミノ酸誘導体ホルモン』です。
現在、ヒトの体内で見つかっているホルモンは合計で100種類前後といわれてます。しかしながら、ホルモンは神経とはちがって肉眼で確認できません。研究が進めば、これから新しいホルモンが見つかる可能性は十分あります。
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