
簡単でわかりやすい「並列回路」と「電流・電圧・抵抗」!電気の基礎を理系大学院生が詳しく解説

高校、大学、大学院と電気を専攻してきたライターさとるめしと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/さとるめし
工業高校電気科卒、大学、大学院と電気工学を専攻している現役大学院生。「電気はよくわからない…」と言う友人や知人に、どうすればわかりやすく電気について理解してもらえるか、日々考えながら過ごしている。
1. 並列回路とは?

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並列回路は、電気回路の中でも抵抗が何段にも分かれて接続される回路です。でも、言葉だけではわかりにいくいですね。早速ですが、回路図を見ていきましょう。

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この図では、抵抗が上下に2つ並んでいますね。このように、抵抗が縦に並ぶ回路を並列回路といいます。この時の電流や電圧の働きが少し特徴的なので、電圧・電流・抵抗についてそれぞれみていきましょう。
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2. 並列回路での電圧と電流と抵抗
ここからは、並列回路における電圧と電流と抵抗について解説していきます。
2-1. 電流について
並列回路の電流は途中で枝分かれしています。これが並列回路の特徴であり、少し難しいところなんです。抵抗があるということは、オームの法則よりそれぞれの抵抗に電流が流れていきますね。しかし、R1にもR2にも全く同じ電流が流れるのでしょうか?実は、それぞれの抵抗に流れる電流の大きさは、抵抗の大きさによって決まります。
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オームの法則から、抵抗があるところには電流が流れていくから枝分かれするんだな。
2-2. 電圧について

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並列回路では、電流が枝分かれするのだから電圧も枝分かれするのでは?と考えた方もいるかもしれません。しかし、並列回路では電圧の大きさは変わらないのです。
電圧は、電流を押し出す役割があります。このとき、抵抗があることで初めて電圧は下がるのです。つまり、抵抗がない限りは電圧は下がりません。この並列回路では、R1とR2にたどりつくまでの間、抵抗がありませんね。そのため、電流を押す力は枝分かれをしても変わらないのです。
もう少しわかりやすく考えてみます。A点での電圧は、E[V]ありますね。ここから電流を押し出したとき、電圧はそれぞれの抵抗を乗り越えられるだけの電流しか押し出せません。つまり、R1もR2もE[V]の電圧であるということができます。
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電圧は抵抗を越えるまで下がらない、と考えるとわかりやすいな。
2-3. 抵抗について
電圧は、それぞれの抵抗を乗り越えられるだけの電流しか流せないということがわかりました。このことから、抵抗は電流の大きさを左右する大事な存在であるということがいえます。
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