英語を学ぶ場合には、「時制」を把握しておくことが重要になるぞ。英文は必ず「主語+動詞」から始まるが、この「動詞」部分の形は「時制」によって決まるからです。この「時制」には数種類ありますが、瞬間を表す「点」のイメージと期間を表す「線」のイメージで分けて考えると頭を整理しやすくなる。
10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「点」でとらえる時制

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まずは、ある瞬間を指す「点」のイメージの時制を考えてみましょう。具体的には、「現在」「過去」「未来」とありますが、いずれもその瞬間のことを表します。

点でとらえる「現在」

「点」でとらえる時制のうち、まずは「現在」です。現在の動作や状況のみについて表現し、be動詞なら「am, is, are」、一般動詞なら「現在形」を使います。「She is my English teacher.(彼女は私の英語の先生だ)」という感じですね。

紛らわしい例に、「I play tennis on Sunday. (私は毎週日曜にテニスをする)」があります。今週も来週もテニスをするなら期間であるようにも思えますが、今その習慣があると考えて「現在」になりますよ。

もうひとつの例は、「My father is runnning in the park now. (私の父は今公園を走っているところだ)」です。今走っている最中なら数分前から走っているかもしれないので期間とも思えますが、過去や未来は関係なく現在どうかだけを言及しているので、やはり「現在」となります。

点でとらえる「過去」

点でとらえる時制の二つめは「過去」です。過去のある時点でどうであったか、動作や状態などを表します。be動詞なら「was, were」、一般動詞なら「過去形」を使いますよ。

例えば、「I studied English yesterday.(私は昨日英語を勉強した)」ですね。

なお、日本語では「その時」と訳す「then」「at that time」は、「過去」時制で使われる表現です。これらの単語ができたら自動的に「過去」と考えましょう。

点でとらえる「未来」

点でとらえる時制の最後は「未来」です。「will」や「be going to」などを使って表現し、未来のある時点でどうかを表します。予定や予測のほか、意志による未来のことにも使えますよ。

例えば、「She will go abroad in the future.(彼女は将来留学するつもりだ)」などですね。

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「線」でとらえる時制

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今度は「期間」を表す「線」でとらえる時制です。これには、過去のある時点から今までを表す「現在完了」のほか、「過去完了」「未来完了」と少し特殊な「大過去」があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

線でとらえる「現在完了」

線でとらえる時制のうち、まずは「現在完了」です。過去のある時点から現在までの期間について表します。形は「have + 動詞の過去分詞形」と表現しますよ。完了の表現は「完了」「継続」「経験」と3つに分類されますが、これはまた別の機会に確認しましょう。

「I have had a fever since three days ago.(私は3日前からずっと熱がある)」などとして使います。また、「since」なしで「three days ago」だけだと「3日前」となり、過去時制で使う表現ですね。

線でとらえる「過去完了」

線でとらえる時制には「過去完了」もあります。「過去完了」は、過去のある時点からそれよりは最近の過去のある時点までのことについて表現しますよ。表現する形は「had + 動詞の過去分詞形」です。

「He had been in hospital for a week when I visited him.(私が彼を訪れたとき彼は1週間病院で入院していた)」などですね。

線でとらえる「未来完了」

次は線でとらえる時制のうち「未来完了」です。使われることは少ないですが、未来のある時点までのことを「will + have + 動詞の過去分詞形」で表します。

「I will have finished the work by tomorrow.(私は明日までにその仕事を終えてしまっているだろう)」など。

要注意!「大過去」

最後は「大過去」について。とくに「大過去」は紛らわしいのですが、その理由は、見た目は「過去完了」で、時制としては「過去」になるからです。

「大過去」は2つの過去の古いほうを表す表現ですが、そういうときに使う表現が存在しないので「過去完了」を代用していると考えるといいですね。そのため、「過去完了」の形をとりながらも点でとらえており完了の意味はありません。

例えば、「He found the eraser he had lost the day before yesterday.」は「彼は一昨日なくした消しゴムを見つけた」と訳します。なくしたのが一昨日で、見つけたのはなくしたあとで今より前ということです。だから、2種類のうち古いほうの事実である「なくした」のほうが形式上「過去完了」になっていますね。

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点か線かでスッキリ分類、場面に合わせた時制を選ぼう!

時制は基本的には6種類、瞬間(=点)を表す「現在」「過去」「未来」、期間(=線)を表す「現在完了」「過去完了」「未来完了」です。点か線かを区別して、現在過去未来を区別すると、時制は決まってきます

そのほかに「不定詞」「動名詞」などの文法はありますが、それらは英文のうちの部分的なことであり、文の時制が決まった上で乗っかってくるものです。英文をつくるときは、まずは主語と動詞の時制を判断しましょう

最後に「大過去」は、見た目と意味が違うので要注意です。見た目は「線」でも、意味は「点」になります。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 英語の「時制」を現役塾講師がわかりやすく解説!「点と線」に分けて考えることでマスターしよう! – Study-Z
英語の勉強法

英語の「時制」を現役塾講師がわかりやすく解説!「点と線」に分けて考えることでマスターしよう!

英語を学ぶ場合には、「時制」を把握しておくことが重要になるぞ。英文は必ず「主語+動詞」から始まるが、この「動詞」部分の形は「時制」によって決まるからです。この「時制」には数種類ありますが、瞬間を表す「点」のイメージと期間を表す「線」のイメージで分けて考えると頭を整理しやすくなる。
10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「点」でとらえる時制

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まずは、ある瞬間を指す「点」のイメージの時制を考えてみましょう。具体的には、「現在」「過去」「未来」とありますが、いずれもその瞬間のことを表します。

点でとらえる「現在」

「点」でとらえる時制のうち、まずは「現在」です。現在の動作や状況のみについて表現し、be動詞なら「am, is, are」、一般動詞なら「現在形」を使います。「She is my English teacher.(彼女は私の英語の先生だ)」という感じですね。

紛らわしい例に、「I play tennis on Sunday. (私は毎週日曜にテニスをする)」があります。今週も来週もテニスをするなら期間であるようにも思えますが、今その習慣があると考えて「現在」になりますよ。

もうひとつの例は、「My father is runnning in the park now. (私の父は今公園を走っているところだ)」です。今走っている最中なら数分前から走っているかもしれないので期間とも思えますが、過去や未来は関係なく現在どうかだけを言及しているので、やはり「現在」となります。

点でとらえる「過去」

点でとらえる時制の二つめは「過去」です。過去のある時点でどうであったか、動作や状態などを表します。be動詞なら「was, were」、一般動詞なら「過去形」を使いますよ。

例えば、「I studied English yesterday.(私は昨日英語を勉強した)」ですね。

なお、日本語では「その時」と訳す「then」「at that time」は、「過去」時制で使われる表現です。これらの単語ができたら自動的に「過去」と考えましょう。

点でとらえる「未来」

点でとらえる時制の最後は「未来」です。「will」や「be going to」などを使って表現し、未来のある時点でどうかを表します。予定や予測のほか、意志による未来のことにも使えますよ。

例えば、「She will go abroad in the future.(彼女は将来留学するつもりだ)」などですね。

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