物理理科統計力学・相対性理論

簡単でわかりやすい!「相対性理論」とは?特殊相対性理論・一般相対性理論を元理系大学教員が詳しく解説!

光さえも吸い込んでしまうブラックホール

ブラックホールは非常に大きな質量を持った高密度な天体です。再び一枚の風呂敷に登場してもらい、ビー玉ではなく鉄球を置いてみましょう。するとビー玉の時に比べて、くぼみは深くなると思います。さらにこの鉄球の重さを二倍、三倍……と増やしていくと、風呂敷のくぼみがさらに深くなっていく様子をイメージ出来るでしょう。

これがブラックホールの姿で、あまりにもくぼみが深いために、光でさえも吸い込まれると出てこられなくなるのです。

ブラックホールは光も吸い込んでしまうため、直接肉眼で見ることはできません。ですが1970年代になって、光ではなくX線や電波といったもので天体を観測する技術が向上すると、ブラックホールの候補と呼ばれる天体が次々と発見されました。

そして2019年には地球上にある8つの電波望遠鏡で同時に一つのブラックホールを観測して、肉眼では見えないはずの姿を捉えることに成功したのです。これはイベント・ホライズン・テレスコープという世界規模のプロジェクトで、多くの天文学者たちの夢が実現した瞬間でした。

時空のさざ波、重力波

時空間は風呂敷の例でも分かるように、伸び縮みします。では、ブラックホールのような大きな質量を持った天体同士が衝突すると、時空間はどうなるのでしょうか。一般相対性理論によると、衝突によって生まれるエネルギーが時空間を激しく伸び縮みさせ、重力波と呼ばれる時空間のさざ波を発生させると予言しています。

この重力波は非常に小さく、一般相対性理論が登場してから約100年もの間、観測出来ていませんでした。しかし2016年、アメリカで行われている LIGO(ライゴ)という実験グループがついにこの重力波を捉えることに成功しました。検出した重力波は二つのブラックホールが衝突したことで生じたものだと言われています。

物理学の新しい扉を開いた相対性理論

特殊相対性理論は時空間の概念を変え、質量とエネルギーを結びつけました。今日でもロケットの軌道を予測する際や素粒子を扱う際など、様々な分野で活用されています。一般相対性理論からはビッグバン理論やブラックホールといったニュートン力学では想像もしなかった新しい現象が生まれました。そして現在も二つの相対性理論を起点として、宇宙の真の姿を探る研究が行われています。

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