日本史

江戸初期の名君「保科正之」を歴女が解説!子孫に徳川家への恩、忠誠を強いる家訓を残した保科正之が5分でわかる!

よぉ、桜木健二だ、今回は保科正之を取り上げるぞ。2代将軍徳川秀忠の庶子で兄の3代将軍家光とその息子の4代家綱を補佐した有能な老中として有名だ。会津松平家の祖だな。

この保科正之を、名君とか頭の良い偉人には目がないというあんじぇりかと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/あんじぇりか

子供の頃から歴史の本や伝記ばかり読みあさり、なかでも女性史と外国人から見た日本にことのほか興味を持っているあんじぇりか。江戸時代に妙に親しみを感じ、そのうえに頭が良い名君、ご落胤といわれる偉人にも興味津々。その点で三拍子そろっている保科正之について色々調べ、5分でわかるようにまとめた。

1、保科正之は徳川秀忠の庶子

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By ? – 土津神社, パブリック・ドメイン, Link

正之は慶長16年(1611年)5月7日に誕生。幼名は幸松(こうまつ)。父は徳川2代将軍秀忠、母は秀忠の乳母大姥局の侍女で北条氏旧臣神尾栄嘉(かんお さかよし)の娘、または武蔵国板橋郷竹村の大工の娘で、静。
秀忠は名うての恐妻家で、正室の江は嫉妬深いことで有名だったので、秀忠は静の妊娠を知ると、ひたすら江に知られまいと静を隠し通して人に預け、生まれた後も正之を育てさせました。

1-2、正之、武田信玄の娘、見性院に預けられて養育

正之は、慶長18年(1613年)頃に見性院に預けられました。

この見性院は、甲斐の武田家の一門穴山信君の正室で、天正10年(1582年)6月の本能寺の変に際して信君が横死、さらに天正15年(1587年)に実子で穴山氏当主となった勝千代が死去。そこで徳川家康は、側室お都摩の方(武田家臣の娘)を生母とする8男信吉に穴山武田氏の名跡を継がせて、見性院に養育してもらったのですが、信吉が病死して穴山家は断絶に。徳川家は武田家家臣を多く召し抱えていたこともあり、まさか彼らの旧主君である信玄公の娘を路頭に迷わせるわけにはいかず、見性院は家康、秀忠に庇護され、江戸城田安門内の比丘尼邸に居住していたわけです。見性院は妹の信松尼とともに武蔵国八王子で幼少の正之を養育することに。

尚、秀忠の隠し子正之の存在については、秀忠側近の老中土井利勝、井上正就のほか数名しか知らされていなかったのでした。

1-3、正之、保科正光の養子となる

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元和3年(1617年)、見性院の縁で、旧武田家臣の信濃高遠藩3万石の保科正光の養子に。この時、正之は6歳でしたが、正光には実子がないけれど左源太という養子がいると聞き、母にむかって「肥州(正光)には左源太という子がいるからいかない」と駄々をこねたが、母の説得でやっと高遠に行くことになったそう。
正之は高遠城三の丸に新居を建設してもらい、母とともに生活、正光の家臣の守役もつき、当時56歳だった正光も国元にいるときは、日に5、6度は正之のご機嫌伺いをしたということ。
正光は遺言で、自らの跡継ぎとして正之を指名、養子の左源太(早世、暗殺の疑いも)にも生活に不自由しないよう加増や金子を与えること、自らの存命中に秀忠と正之を父子対面させたいと書き残して71歳で他界。

1-4、正之、高遠藩主を継ぐ

正之は寛永8年(1631年)、19歳で正光の跡を継いで高遠藩3万石の藩主に。正四位下左近衛中将兼肥後守に叙任。後、会津中将と通称されました。
秀忠正室の江は、寛永3年(1626年)に亡くなっているし、秀忠は翌年寛永9年に亡くなるので、正之が跡目相続したとき、またはその前に正光の世子として正式に大御所秀忠にお目見えしたはずですが、その時の記録もないみたいで父子対面という劇的な場面ではなかったよう。

秀忠は遺産分けでも正之を親族扱いはせず、あくまで保科家の養子、譜代大名の一人とし、息子の家光や忠長にも一切話していなかったということ。

2、将軍家光、異母弟正之の存在を知る

長兄の将軍家光が異母弟正之の存在を知ったのは秀忠の死後、それも身分を隠してお忍びで目黒に行き、成就院という保科家の菩提寺で休憩したときに(目の前の武家が家光とは知らない)僧侶から、「保科肥後守殿は、じつは将軍家の弟君」と聞かされたときだそう。驚いた家光は大喜びで正之と対面、大いに正之を気に入り、後で情報を教えてくれた成就院に寺領を寄進。 正之は家光弟で次兄に当たる忠長とも対面し、忠長からも大変気に入られ、祖父徳川家康の遺品を与えられ、松平姓に復姓せよと言われた由。 正之はさぞ感激しただろうことは察しがつきますよね。

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