古墳時代日本史歴史

埼玉の県名の発祥の地「さきたま古墳公園」を元大学教員が解説!~古墳時代と現代をつなぐ場所~

瓦塚古墳から出土した埴輪はデザインのバリエーションが豊富

瓦の塚?と不思議になる名前の瓦塚古墳。近くに瓦の職人の家があったことから付いた名前だそうです。古墳の整備をする際、発掘調査をしたところ、たくさんの埴輪が見つかりました。

瓦塚古墳から出てきた埴輪の興味深いところはその形状。通常の人形型のほか、家の形をしているもの、白鳥など。さらに、琴を弾く男性、首飾りをした女性、馬を引く男性、楯をもつ男性も出土しました。

埴輪の出土により造形年代が判明!奥の山古墳

埼玉古墳群のなかでは2番目にちいさい古墳。古墳の一部である造り出しから出てきた装飾付の須恵器はとても貴重なものでした。関東地方で、この種類の器が見つかることはめったにないそうです。

装飾付の須恵器は格上の人の古墳から見つかるもの。奥の山古墳は小さい規模の古墳です。そこから、古墳の大きさは埋葬された人の格をそのままあらわさないことが判明しました。

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瓦塚古墳から出てきた埴輪たちは、葬送のときに墳丘や中堤に並べられていたと言われている。これだけいろいろな形の埴輪があると、葬送のときの墳丘は生き生きとした活気ある雰囲気だっただろうな。

小型古墳はレアな発見があることもめずらしくない

image by PIXTA / 7762179

どうしても大型の古墳に目が行きがちですが、小規模な古墳では驚くようなレアな発見があることも。とくに小型の古墳からは、関東エリアでは珍しい設備や出土品が出る傾向があります。

三重の周濠がある前方後円墳は珍しい!鉄砲山古墳

鉄砲山古墳の珍しい点は3重堀であること。ただ、3つ目の堀が全周しているのかどうかは現在の段階では不明です。3重堀の古墳は、国内のものを全部あわせて4基。とても珍しいタイプの古墳です。

もうひとつは造り出しがあること。造り出しは、埼玉古墳群では稲荷山古墳、二子山古墳、将軍山古墳にもあります。しかしそれ以外となると、群馬県と福岡県の古墳に見られるものの、規模が小さく形状も異なるとのこと。

中の山古墳から関東地方では例を見ないタイプの壺が発見

まだ十分に調査が進んでいない中の山古墳ですが、通常の円筒埴輪とは異なるものが出土。須恵器の窯で焼かれた灰色の壷が見つかりました。これは須恵質埴輪壷と呼ばれ、韓国や北九州で見られるタイプのものです。

中の山古墳がつくられたのは6世紀末~7世紀初めごろ。埼玉古墳群のなかではもっとも最後につくられたと考えられています。駐車場や博物館から離れた場所に現存。そのため他の古墳よりも静かな空間になっています。

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江戸時代、忍藩の砲術演習所があったことから鉄砲山古墳という名前がついたそうだ。演習所を作ったなごりから墳丘の形が変わっている個所がある。古墳は長いあいだその地にあるのが、その時代ごとにいろいろな使われ方をしていたことが分かる。

埼玉古墳群は世界遺産を目指す日本有数の史跡

埼玉古墳群は、古墳時代の日本の勢力図や出来事の年代を把握する上でとても貴重な史跡。くわえて面白いのは、戦国時代から江戸時代にかけての出来事が垣間見れる点。とくに忍藩と石田三成との攻防や砲術演習所などの痕跡は、近世の歴史を知る上で貴重な情報です。古墳時代から現在に至るまでの日本の歴史が分かる、そんなスケールの大きさに触れたい人は、ぜひ「さきたま古墳公園」を訪れてみてはいかがでしょうか。

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hikosuke