
海王星について

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海王星は太陽系第8惑星で最後の惑星です。1846年に天王星の運行の様子から、理論的計算によって発見されました。天王星と同じく巨大氷惑星に分類されています。天王星より太陽からはるかに遠いにもかかわらず、どうやら大気の活動は天王星より活発なようです。公転軌道が非常に長いため、1846年の発見から2011年になってようやく太陽のまわりを1周したばかりになります。この太陽系最後の惑星である天王星について見てみましょう。
海王星の基本データ
太陽系最後の惑星である海王星は、太陽からの距離が約45億キロメートルのところを約165年もかけて回っています。この距離は太陽と地球の距離のおよそ30倍です。直径は約5万キロメートルで、太陽系の惑星の中で4番目の大きさになります。あまりに遠すぎるため自転周期すらよくわかっていなかったのですが、最近ではおよそ16時間と推定されているようです。質量は約1.0×10の26乗キログラムで、地球の17倍、木星の19分の1の大きさになります。非常にかすかな環を持っていて、現時点で確認されている衛星は14個です。
海王星の構造について
NASA; Pbroks13 (redraw) – http://solarsystem.nasa.gov/multimedia/gallery/Neptune_Int-browse.jpg, which is in the public domain, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
海王星は天王星と同じく巨大氷惑星に分類され、天王星と似たような内部構造を持つと考えられています。中心には岩石からなる核、その周りを水、アンモニア、メタンを含むマントル、その周りをほとんど水素やヘリウムからなるガスが覆っているという構造です。上記の画像の一番外側は雲ができる上層大気になります。太陽から海王星の距離は、太陽から天王星までの距離の50パーセント以上離れていて、日射量が天王星の半分しかないにもかかわらず、表面の温度がほぼ同じです。そのため内部になんらかの熱を発生させるシステムが存在しているはずですが、いまのところそのシステムについてはまったくわかっていません。
海王星の大気について
NASA / Jet Propulsion Lab – http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA00052, パブリック・ドメイン, リンクによる
海王星の大気は天王星と同じくメタンの雲に覆われてると考えられていますが、はっきりとした雲でわかるように天王星よりも活発なようです。海王星の大気の風速は秒速600キロメートル、時速2200キロメートルになります。1989年のボイジャー2号の観測時に縦6600キロメートル、横幅1万3000キロメートルにもなる大暗斑が発見されました。木星の大赤斑に似ていますが、5年後には消えてしまったようです。大暗斑の下に見える白い雲の塊も嵐のようでスクーターと呼ばれています。上記の画像はボイジャー2号が撮影した大暗斑の拡大画像です。
トリトンについて
NASA / Jet Propulsion Lab / U.S. Geological Survey – http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA00317, パブリック・ドメイン, リンクによる
海王星の奇妙な衛星であるトリトンについて簡単に触れておきます。トリトンは直径約2700キロメートルで海王星最大の衛星です。トリトンは海王星の自転方向と逆に公転しています。海王星から35万キロメートルと比較的近く、しかも巨大なトリトンが逆方向に回転しているのはまったく奇妙なことで、太陽系の中でこのような衛星はトリトンだけです。おまけに赤道面から23度も傾いています。さらに、太陽からこれほど離れているにかかわらず、地質学的および気象学的活動が確認されているという点でも極めて特殊な衛星です。
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