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現代社会になくてはならない「国際連合」!成り立ちは?役割は?国際情勢を学ぶ大学院生ライターが5分で解説

拒否権は活動停滞の原因?

幅広い活動が成果を生み出している国連ですが、実は批判も数多くあります。そうした批判のひとつが、安全保障理事会の常任理事国に与えられている拒否権の問題です。

拒否権はしばしば物事の進行を妨げます。なぜなら安全保障の分野においてはアメリカとロシアが対立する傾向にあり、両者とも国の立場があるため意見を譲りたがらないからです。例えば北朝鮮問題では、北朝鮮との親交が深いロシアや中国がアメリカの強い姿勢に反発し、厳しい制裁が回避されるというようなことが何度もありました。他にも、拒否権が行使されるために紛争に介入することができず、現地の人々が危険な生活を強いられる状態が長く続くというようなケースもあります。

そもそも拒否権は、5大国の意見の一致を前提として行動することで大国間の戦争を防ごうという思惑から導入されました。しかし、逆に問題の解決が先送りされているという指摘もあり、拒否権の在り方が問われているのです。常任理事国は今ある権限を手放したくないため、安全保障理事会は拒否権問題になかなか対処できずにいます

21世紀になっても残る敵国条項

国連憲章には敵国条項と呼ばれる条項があり、第二次世界大戦で敵だった国が侵略行為や戦争行為をした場合、安全保障理事会の許可がなくても軍事的制裁を科すことが容認されています。国連はそもそも第二次世界大戦の戦勝国を中心に設立された機関であり、ドイツやイタリア、日本などを敵国として想定しているのです。

敵国条項は時代遅れであることが認識されていて、すでに形骸化したものと考えられています。総会では圧倒的多数の支持のもと、敵国条項の記述を削除することが決定しました。しかし国連憲章の改正には煩雑な手続きがあり、ほかの論点も議論されなければいけないため、近いうちに改正される見込みはほぼありません。

国連の活動に大きな貢献をしているにも関わらず、形式上であるにしても「敵国」として扱われていることに対して、日本国内には反発する意見も数多くあります。

国際連合は国際社会の中心となって平和と発展を目指している!

国連は、世界の平和と発展に貢献する重要な機関です。第一次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟の反省と、二度と戦争を起こしたくないという人々の願いが、今の国連につながったと言えます。もちろん、全ての紛争を防ぐことができるわけではないし貧困を根絶したわけでもありません。しかし、もし国連がなかったら、国家間の対話はもっと難しいものになっていたでしょう。国連は世界の国々の中心となって、国際秩序を守るために活動しているのです。

設立から年月が経ち、現代の社会にはそぐわない点や対応しきれない問題も増えてきました。そんな中でも国連が時代に応じて変化しようとしているのは、SDGsが新たな課題に対処しようとしていることからも読み取れます。様々な課題はありますが、現代のグローバル社会に欠かせない重要な機関として、今後も国連は世界の発展に向けた活動を推進し続けることでしょう。

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amala18