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現代社会になくてはならない「国際連合」!成り立ちは?役割は?国際情勢を学ぶ大学院生ライターが5分で解説

国際連合に軍隊はあるのか

世界の安全保障に寄与している国連ですが、常設の軍隊は保有していません

国連憲章第7章で国際平和の破壊や侵略行為に対する武力行使が認められているため、国連は加盟国の軍隊を編成して国連軍を組織することが可能です。しかし、今まで正規の国連軍が編成されたことは一度もありません。朝鮮戦争で活動したアメリカ軍を中心とした軍隊が「国連軍」と呼ばれることはありますが、その実態はアメリカが指揮を執る「多国籍軍」でした。

平和維持活動のために軍事組織が編成されることもありますが、これは「国際連合平和維持軍(PKF)」と呼ばれます。平和維持活動は国連憲章第7章の活動ではないため、国連平和維持軍も国連憲章に基づいた「国連軍」ではありません。

国際連合の人道支援活動

国連は単に戦争や紛争の拡大を防ぐだけでなく、争いのため家を失ったり国から追われてしまったりした人々を支援する活動も行っています。例えば国連設立初期から、情勢の不安定なパレスチナでは難民に対して生活環境の改善や教育機会の提供などの支援をしてきました。

戦争ばかりでなく、大規模な自然災害により生活基盤を失った人々への支援も重要な使命のひとつです。日本にも2011年の東日本大震災の際には国連から災害チームが派遣され、救援活動の支援が行われました。国連が活躍する舞台は、決して発展途上国に限るわけではないのです。

緊急事態に立場の弱い人々をを守るために行われるこのような活動は「人道支援活動」と呼ばれています。

世界の開発を目指す国際連合の取組

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経済開発や社会開発を通して人々の生活水準を向上させることも、国連の重要な役割です。

2000年の国連総会で、21世紀の国連の役割を話し合うミレニアムサミットが開催されました。この場で採択されたのが、開発分野における国際社会の共通の目標を定めたミレニアム開発目標(MDGs)です。貧困や飢餓の撲滅、初等教育の普及、ジェンダー平等などの8つの分野が設定され、2015年までの達成を目指すことで合意されました。MDGsは世界の開発に大きく貢献しており、この15年の間に極度の貧困下に暮らす人が減少したり初等教育の就学率が上昇したりするなど、多くの成果を残しています。

2015年、MDGsは持続可能な開発目標(SDGs)というより広範な開発目標に引き継がれることとなりました。途上国の開発だけでなく、気候変動や消費社会の歪みなど新たに生じている問題にも焦点があてられ、先進国も含めた全ての国の主体的な参加が強調されています。2030年までの15年間で目標を達成することが目指されていて、国連は現代のグローバルな問題にも中心となって取り組んでいるのです。

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国連は戦争を防ぐだけじゃなくて、経済面や社会面での世界の発展にも役に立っているんだな。国際政治のためには欠かせない機関のようだし、その活動は高く評価されているんだろう?

国際連合の評価

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国連はその功績が認められ、たびたびノーベル平和賞を受賞しています。

例えば1988年、平和の達成に向けた活動が評価されて国連平和維持活動がノーベル平和賞を授与されました。2001年には国連と当時のアナン事務総長が「より良く組織されたより平和な世界を構築するための取組」に対してノーベル平和賞を受賞しています。また、2007年には国連の専門機関である気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とアメリカ元副大統領のゴア氏も受賞。地球温暖化への警鐘と気候変動を防ぐための取組が評価されました。

このように国連は平和への取組や環境問題など幅広い分野で認められており、国連としてだけではなく国連の関連機関などもノーベル平和賞を授与されています。

国際連合の課題

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amala18