化学理科生活と物質

水と油の橋渡し役!「石鹸・合成洗剤」について元塾講師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「石鹸・合成洗剤」について勉強していこう。

親水性と疎水性(親油性)、水と油の関係についてはもう解説したな。混ざり合わない水と油を混ぜるにはどうしたらいいか。それが今回のテーマだ。

その橋渡し役を担う石鹸と合成洗剤について見ていこう。化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.水と油の関係をおさらい

1.水と油の関係をおさらい

image by Study-Z編集部

今回は、前回出題した問題の答え合わせから解説していきましょう。

(1)水と油を入れたグラスの中にを入れてみたらどうなるでしょうか。

(2)水と油を混ぜるためにはどうすればよいでしょうか。

これが問題でしたね。

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前回の内容をチェックしていないやつは考えてみよう。親水性疎水性についての復習も忘れずにな!

1-1.水と油を入れたグラスの中に氷を入れると?

1-1.水と油を入れたグラスの中に氷を入れると?

image by Study-Z編集部

さて、それでは解答を見ていきましょう。答えは上の図の通りですが、ここでポイントになるのは水・氷・油の比重の違いです。

水は氷になると体積が増え、その分密度は小さくなりますね。(ある質量の水を凍らせると体積は水のときよりも増えるのですから、水分子が広がったように位置するわけです。つまり、水分子の密集度である密度は小さくなるということがいえます。)比重は水との密度を比較したものですから、水よりも密度の小さい氷は水に浮くということがわかるでしょう。このとき、氷の比重は約0.92になります。

次に水と油を比べてみると、水が下、油が下の層になるというのは前回解説しましたね。水と油では油の方が密度が低く、比重は0.9ほどですから水に浮くように層ができます。

比重は水を基準(1)にしていますから、水・氷・油を比べると 水 1 >氷 0.92 >油 0.9 となるのがわかりますね。つまり、水・氷・油の順に重いということです。

これらのことから、水と油を入れたグラスの中に氷を入れると、氷が水と油の間で浮いた状態になるというのが正解となります。

1-2.水と油を混ぜるためには?

1-2.水と油を混ぜるためには?

image by Study-Z編集部

水と油は混ざり合わないものですが、あるものを加えることで良く混ざります。その代表例が洗剤です。「石鹸」や洗濯用洗剤などの「合成洗剤」といってもいいですね。

では、なぜ石鹸が加わることで混ざり合わないはずの2つが混ざるようになるのでしょうか。それが今回のキーワードである石鹸や洗剤のもつパワーなのです。

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(1)の問題は比重の差がヒントになったな。それじゃあ(2)の問題はどうしてこうなるのか、考えてみよう!

\次のページで「2.洗剤のはたらき」を解説!/

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