
「ボイルの法則」についてボールの空気入れに関連させて理系ライターがわかりやすく解説
3.PVの正体からボイルの法則を考察
圧力Pと体積Vの掛け算PVの意味
PV=一定のPV
実はこのPVは気体の持つエネルギー。これを理解していると、単にPV=一定と暗記するより、知識が定着しやすいでしょう。
絶対温度が同じ気体は?

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気体の粒子は絶対零度(セ氏-273℃)でなければ何らかの運動をしています(熱運動)。
そもそも、絶対温度は、実はこの熱運動を元に定義されているもの。
熱運動が0なら、絶対温度が0K(ケルビン)。熱運動が2倍にの時、絶対温度も2倍。そのような定義。
つまり、温度が同じ気体は同じだけ熱運動をしている=おなじだけ熱エネルギーを持っています。
セ氏温度と絶対温度の基準
セ氏0℃=273.13K。なんでこんな中途半端?0℃と0Kの基準が違うから。
氷から水になる温度を0℃、水が気体になる温度を100℃という基準をもとに決めたのがセルシウス温度、熱運動が0の時の温度を0K(ケルビン)としたのが絶対温度。基準が違うため、セ氏温度と絶対温度を比較したらとても中途半端な値に。
ただ、1ケルビンと1℃の幅は同じに設定されています。
PVの単位
さてここで、圧力P[Pa]と体積V[m^3]の掛け算PVの単位を見ていきましょう。
圧力の単位Pa→N/m^2から、PVの単位はNm=kg・m/s^2・m=kg・m^2/s^2
実はこれ、エネルギー[J]と同じ単位。
例えば位置エネルギーは質量x重力加速度x高さ=m[kg]・g[m/s^2]・h[m]から、単位はkg・m^2/s^2。
運動エネルギーは1/2x質量x速度の2乗=1/2・m[kg]・v^2[m^2/s^2]から単位はkg・m^2/s^2。同じですね。
よって、圧力Pと体積Vの掛け算PVの正体はエネルギーであることを確認できます。
正確には気体の持っている熱運動によるエネルギー。
同じ温度の気体は熱運動のエネルギーは一定なのでPVも一定という訳です。
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