ムカシトカゲ目
ムカシトカゲ目は現生する爬虫類の中でもとくに小さなグループ。世界中の爬虫類のうちわずか2種だけでこのムカシトカゲ目を構成しています。
爬虫類のなかでも原始的な種であり、爬虫類の進化を考えるうえでとても重要なグループだと考えられていますが、現生している種はわずかで、しかも絶滅危惧種。まだまだ研究の余地がある生き物です。
ムカシトカゲ目に属しているのは、ムカシトカゲとギュンタームカシトカゲ。いずれもニュージーランドに生息しています。ぱっと見はトカゲやイグアナによく似ていますが、トカゲやヘビなどの進化が進んだ爬虫類とは心臓のつくりや骨格に大きな違いがあるのです。
爬虫類と鳥類
分類学の世界は日進月歩。昔正しいと信じられていた分類方法も、時がたつにつれて大きく修正されることがあります。爬虫類の分類について学ぶとき、避けては通れなくなっているのが鳥類との関係です。
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古来より、地上を這いずり回る爬虫類と、翼をもち空を飛ぶ鳥類は全く別の生物群として考えられてきました。確かに、草むらで目にするニホントカゲと空を飛ぶカラスはまるで違う生き物だと認識されます。しかしながら、恐竜をはじめとする古生物学の研究や、DNAに基づいた分子系統学が発展するにつれ、爬虫類と鳥類の分類関係は見直されるようになってきました。
爬虫類と鳥類は長きにわたり、「爬虫綱」と「鳥鋼」という別の鋼に分類されていましたが近年の系統分類学では「爬虫綱の中に鳥類(鳥亜綱)がふくまれる」という考え方がスタンダードになっています。
爬虫類の分類は奥が深い
上記の通り、近年の分類体系では鳥類も爬虫綱の一部とみなすことが増えています。しかしながら、鳥が爬虫類の一部という考え方は一般的な認識にそぐわないことも多いため、今回は「昔ながらの爬虫類(爬虫綱)」をご紹介しました。
爬虫類と鳥類の分類学的な論争の歴史について興味のある方は、ぜひ調べてみるのをおすすめします。過去に生きていた生物と今の生物との関係を探る、学問のロマンを感じられるでしょう。