
3分で簡単!「コロイド溶液」を元家庭教師がわかりやすく説明
・にごった河川水
・せっけん水
・牛乳、豆乳
・墨汁
どれも身近にある物ばかりですね。濁った水の処理には凝析、豆腐作りでは豆乳ににがりを加えて塩析が行われます。このようにコロイド、そして凝析や塩析も身近な現象なのです。
コロイドに関する現象は他にもまだまだあります。受験勉強にはもちろん、大学での実験や研究にも役立つのでぜひ確認してくださいね。
光の通り道がくっきり!チンダル現象

image by Study-Z編集部
デンプン溶液などコロイドが分散したコロイド溶液を透明な容器に入れ、レーザーポイントの光を真っすぐに当ててみてください。すると光の通り道がくっきりと表れます。これはコロイド粒子にあたった光が散乱するからです。この現象を「チンダル現象」と呼びます。
このチンダル現象は大きめの粒子であるコロイドにあたった光が乱反射して起こるため、イオンや分子が溶けた真の溶液では起こりません。しかしこのチンダル現象はコロイド溶液だけでなく、空気中でも起こるのです。空気中には小さい埃があるため暗いところで懐中電灯をつけると同じように光の道筋がくっきりと分かります。
コロイド粒子の運動、ブラウン運動
特殊な顕微鏡を使ってコロイド溶液を見ると、コロイド粒子は不規則な運動をしています。この現象は分散媒がコロイド粒子にぶつかることで起きるのです。そのため粒子は温度が高いほど激しく運動し、この運動の事を「ブラウン運動」と呼びます。
ブラウン運動と言う名前は発見者であるイギリスの生物学者ブラウンに由来したものです。ブラウンは花粉に含まれている微粒子が不規則に運動することを顕微鏡で観察しました。
体内でも行われている透析
ろ過で大きな粒子と液体を分離するように、半透膜を使って通過できないコロイド粒子と通過できる分子やイオンを分けることを「透析」といいます。コロイドだけでなく、高分子化合物にも適した精製方法です。
コロイド溶液を精製するときは、半透膜に精製したいコロイド溶液を入れて水に浸けます。すると半透膜を通り抜けられるイオンや分のみが水の方へ出ていき除去することができるのです。腎不全などで老廃物の処理ができなくときには、人工透析によって不要物を取り除きます。
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