
3分で簡単!「コロイド溶液」を元家庭教師がわかりやすく説明
疎水コロイドと親水コロイド

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コロイドは水との親和性によって「疎水コロイド」と「親水コロイド」に分けることができます。コロイド粒子は正か負に帯電しているため、同じ種類のコロイド粒子同士は反発しあう事で安定するのです。さらに親水性コロイドはコロイド粒子同士の反発に加えて水になじみやすく、水和(水の分子が溶質を取り囲むこと)することでも安定しています。

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疎水コロイドは凝析、親水性コロイドは塩析によって沈殿させることができます。凝析と塩析の違い必要な電解質の量です。少量の電解質でコロイドを沈殿させることを凝析、多量の電解質を加えて沈殿させることを塩析と呼びます。疎水コロイドはコロイドの持つ電荷だけを取り除けばいいですが、親水コロイドの場合はコロイド粒子にくっついた水和水も取り除かなければなりなせん。
親水コロイドよりも沈殿しやすい疎水コロイド。そんな疎水コロイドを凝析しづらくさせるのが保護コロイドです。保護コロイドとは疎水コロイドに加える親水コロイドの事で、この親水コロイドが疎水コロイドを取り囲むと凝析されづらくなります。例えば墨汁では疎水コロイドの炭素粉末と共に、保護コロイドの役割を果たすにかわが加えられているのです。
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ゾルとゲルってなんだ?流動性で分けられるコロイド

ゾルとゲルを簡単に説明すると「流動性があるコロイドがゾル、流動性がないのがゲル」のことです。コロイド水溶液のうち、流動性のあるせっけん水やデンプン水溶液はゾルになります。また雲や霧のように小さな水滴がコロイド粒子として分散している状態をエーロゾルと呼ぶのです。
多くの人が小学生の時に作ったことがあるスライムと甘い和菓子の羊羹は流動性がなく形を保つことができ、同じゲルに分類されています。水分を含んだ半固体の状態をゲルと呼び、乾燥させて水を失った状態をキセロゲルと言うのです。このキセロゲルは水を吸うと膨れ、この現象を膨潤と呼びます。

こんなにも身の回りにコロイドがあるとは思わなかった。なによりもあのぷよぷよしたスライムが羊羹の仲間というのが驚きだ。
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