3分で簡単にわかる!「コロイド溶液」とは?身近な例も元家庭教師がわかりやすく説明
コロイド粒子が均一に散らばった、分散した状態の溶液を「コロイド溶液」という。このコロイドは様々な現象を学ぶのにとても役立つ。今回はこのコロイド溶液について高校は化学部、大学は国立大学の工学部化学系の院出身というたかはしふみかが説明していきます。
ライター/たかはし ふみか
高校時代、セッケンの研究をしながらコロイド溶液やコロイドに関わる「チンダル現象」「ブラウン運動」「塩析」といった現象を学ぶ。懐中電灯で夜道を照らすたびにチンダル現象を思い出すリケジョ。
コロイドとはなんだ?
まず、コロイド粒子について確認しましょう。コロイド粒子とは「直径が10-9~10-7mの粒子」のことで、コロイド粒子が均一に散らばった溶液の事を「コロイド溶液」と呼びます。ちなみに10-9mは1nmと表すことができ、コロイドは1nm~100nmの大きさの粒子となるのです。髪の毛の太さが約0.08㎜、80,000nmということからいかにコロイド粒子が小さいかわかりますね。
このコロイド粒子はとても小さくろ紙を通り抜けてしまうため、ろ過で取り除くことはできません。しかしコロイド粒子はセロハンなどの半透膜を通るのには大きすぎるのです。一方、コロイド粒子よりさらに小さいイオンや分子だとろ紙はもちろん半透膜でも通過してしまいます。そのためコロイド粒子より大きい物はろ過で取り除き、コロイド溶液に含まれる分子やイオンは半透膜を使って取り除くのです。
コロイド粒子が分散している溶液をコロイド溶液というのに対し、塩化ナトリウム水溶液のように分子やイオンが溶けた溶液を「真の溶液」と呼びます。
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コロイドの分類
image by Study-Z編集部
コロイド粒子として分散しているものを分散質、分散質が分散している物質を分散媒と呼びます。分散質と分散媒の状態(固体・液体・気体)によってコロイドは細かく分類されているのです。特定の分散質と分散媒の組み合わせに呼び方があるものもあるので、物質の例と一緒に覚えてくださいね。
分散質・液体×分散媒・液体:エマルジョン(乳濁液) マヨネーズ、牛乳など
分散質・固体×分散媒・液体:サスペンション(懸濁液) 墨汁、泥水など
さらにコロイドはその性質からより細かく分類されることができるのです。
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