電気がなぜ人間の思い通りに操れるか知ってるか?

現代の技術ではほとんど人間のおもうままに電気が操れている。それは人類の電気に対する知識が積み重なった結果なんです。そのなかでも基本的で重要な知識が電流と電圧、抵抗と言われている。今回の記事ではそんな電気を扱ううえで欠かせない電流、電圧、抵抗の関係について説明していくぞ!電気分野の勉強でも大切な部分なのでしっかり理解してくれ!

今回は理系ライターの四月一日そうと一緒にみていくぞ!

ライター/四月一日そう

現役の理系大学生ライター。電気電子工学科に所属しており電気の分野は好きで得意。アルバイトは塾講師をしており授業を通して生徒たちに物理と数学のおもしろさを伝えている。

電気のルール

image by iStockphoto

現代の科学をみてみると人間が自由自在に電気を操っているようにみえます。しかしこれは半分正解で半分はずれなんですね。

どういうことかというと人間が電気を扱う際、電気のルールにしたがって使っているだけに過ぎません。電気を支配する自然のルールがあってそれに基づいて人間の使いやすいように利用しているのです。

この電気を支配するルールというのはもちろん人間が最初から知ってた訳ではありません。昔の科学者たちが実際に仮説と実験を繰り返し確立してきたものなのです。今回の記事ではそのルールを学んでいきましょう!ルールを理解するために電流、電圧、抵抗とはなんなのかということが大事になってきます。

次から本格的にみていきましょう!

電流

まずは電流についてです。みなさんのイメージでは電気が右から左に流れているようなイメージでしょうか。そのイメージはほぼ正しいといえます。

電流の正体は電荷の流れです。電荷というのは簡単に説明すると電気の元になる粒のこと。この電荷の動きを私たちは電流と呼んでいます。

電流が大きい、小さいと表現される事もありますよね。このときの大きい小さいというのは電荷の量の話をしているわけです。流れる電荷の量が多ければ大きい電流が流れている、少なければ小さな電流が流れているといった具合ですね。

電圧

次に電圧です。電圧というのは電流を流そうとする圧力のようなものだと思ってください。

電流や電圧というのはよく水の流れに例えられます。平らな地面に水路があるとしましょう。もちろん平らですからなにもしなければ水は流れません。この水を流すために水を上に持ち上げるポンプを設置します。ここでのポンプの水を持ち上げる高さが電圧に当てはまり、水の流れが電流に当てはまるのです。

 

抵抗

最後に抵抗ですね。ざっくりいうと抵抗は電流を流れにくくさせるものです。

先ほどの水路の例で例えると水車が1番しっくりきます。水路があると水の勢いが弱まって水が流れにくくなりますね。抵抗は電気回路や電子回路の中でそれと同じ働きをするのです。

それでは次から電流、電圧、抵抗の関係についてみていきましょう!

オームの法則

オームの法則

image by Study-Z編集部

今まで個別に電流、電圧、抵抗についてみてきました。いよいよこれからはこの3つの関係に着目して電気のルールに迫っていきます!

まず基本中の基本でかなり大切な電気の世界のルール、オームの法則です。上の画像の式で表されます。計算的な側面で言えば電圧、電流、抵抗の3つの内、2つが分かれば最後の1つも分かるということです。

この公式を適用するときに注意してほしいことがあります。それは電圧は抵抗にかかる電圧、電流は抵抗に流れる電流ということです。例えば抵抗が2つ以上存在する回路の場合、それぞれの抵抗に電圧源の値を使ってはいけません。ですから、オームの法則を適用するときは抵抗それぞれに電流にかかる電圧、流れる電流を求めてから使ってください。

物理的な側面でなぜこのようなオームの法則が成り立つかといえば簡単には説明できないのです。オームさんたちが実験を通してこのような式が成り立つことを発見したので経験則だともいえますね。

もっというと抵抗というのはこのオームの法則から定義されています。どういうことかというとオームたちが電圧を電流で割ったものを抵抗と定義したのです。

オームの法則に関しては正しい使い方で計算できれば十分で原理に関しては大学以降の量子力学などの分野で学ぶことができるといった感じですね。

キルヒホッフの法則

image by iStockphoto

次はキルヒホッフの法則です。キルヒホッフの法則には第1法則と第2法則があるのでまずは第1法則から見ていきましょう。

第1法則は回路中のある点に着目したとき電流の流れ込む量と流れ出る量が等しいという法則です。言い換えれば電流は勝手に消滅したり湧き出したりしないということですね。

例えば電流が2つに分かれている点があったとしましょう。キルヒホッフの第1法則を適用すれば電流が分岐する前の電流と分岐した後の電流の総量は変わらないことが分かりますね。当たり前に思えるかもしれませんが問題を解く上でよく使う法則ですのでしっかりと頭にいれておきましょう!

次に第2法則です。第2法則は回路中を1周りしたときの電位差が0になるというもの。

どういうことかというと水路の例で考えましょう。水を流すためにポンプを設置していましたね。このポンプでくみ上げた水の高さが電圧と対応していました。ではこの水路を一周してみましょう。ポンプから出発して水車を通りポンプに帰ってきます。このとき出発したときの水の高さと帰ってきたときの水の高さは変わりませんよね?キルヒホッフの第2法則はこのことを電気回路で表している法則なのです。

たったこれだけの法則かもしれませんがこのキルヒホッフの第2法則で回路中の方程式が1つ立てられるので大切な法則といえます。これを適用する際に注意してほしいのが電流が回路を一周するのではないということです。イメージとしては人が回路中の電位を調べて回って1周するといったイメージですね。

基本に忠実に!

ここで触れた電気のルールはほんの一部です。しかし今回説明したルールをしっかり理解して使うことができれば高校物理の基本問題から標準問題は瞬殺できます。

並列接続、直列接続が合わさったような複雑な回路でもキルヒホッフの法則で回路全体をみてあげてオームの法則で抵抗ひとつひとつに流れる電流、電圧を調べてあげればほとんどの回路が理解できてしまうのです。

受験で物理を使うけど電気分野が苦手...という方は基本法則に立ち返ってシンプルに回路を追ってあげると綺麗に解ける場合が多いですよ!

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物理理科電磁気学・光学・天文学

電流、電圧、抵抗とは?それぞれの関係は?理系ライターがわかりやすく解説!

電気がなぜ人間の思い通りに操れるか知ってるか?

現代の技術ではほとんど人間のおもうままに電気が操れている。それは人類の電気に対する知識が積み重なった結果なんです。そのなかでも基本的で重要な知識が電流と電圧、抵抗と言われている。今回の記事ではそんな電気を扱ううえで欠かせない電流、電圧、抵抗の関係について説明していくぞ!電気分野の勉強でも大切な部分なのでしっかり理解してくれ!

今回は理系ライターの四月一日そうと一緒にみていくぞ!

ライター/四月一日そう

現役の理系大学生ライター。電気電子工学科に所属しており電気の分野は好きで得意。アルバイトは塾講師をしており授業を通して生徒たちに物理と数学のおもしろさを伝えている。

電気のルール

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現代の科学をみてみると人間が自由自在に電気を操っているようにみえます。しかしこれは半分正解で半分はずれなんですね。

どういうことかというと人間が電気を扱う際、電気のルールにしたがって使っているだけに過ぎません。電気を支配する自然のルールがあってそれに基づいて人間の使いやすいように利用しているのです。

この電気を支配するルールというのはもちろん人間が最初から知ってた訳ではありません。昔の科学者たちが実際に仮説と実験を繰り返し確立してきたものなのです。今回の記事ではそのルールを学んでいきましょう!ルールを理解するために電流、電圧、抵抗とはなんなのかということが大事になってきます。

次から本格的にみていきましょう!

電流

まずは電流についてです。みなさんのイメージでは電気が右から左に流れているようなイメージでしょうか。そのイメージはほぼ正しいといえます。

電流の正体は電荷の流れです。電荷というのは簡単に説明すると電気の元になる粒のこと。この電荷の動きを私たちは電流と呼んでいます。

電流が大きい、小さいと表現される事もありますよね。このときの大きい小さいというのは電荷の量の話をしているわけです。流れる電荷の量が多ければ大きい電流が流れている、少なければ小さな電流が流れているといった具合ですね。

電圧

次に電圧です。電圧というのは電流を流そうとする圧力のようなものだと思ってください。

電流や電圧というのはよく水の流れに例えられます。平らな地面に水路があるとしましょう。もちろん平らですからなにもしなければ水は流れません。この水を流すために水を上に持ち上げるポンプを設置します。ここでのポンプの水を持ち上げる高さが電圧に当てはまり、水の流れが電流に当てはまるのです。

 

抵抗

最後に抵抗ですね。ざっくりいうと抵抗は電流を流れにくくさせるものです。

先ほどの水路の例で例えると水車が1番しっくりきます。水路があると水の勢いが弱まって水が流れにくくなりますね。抵抗は電気回路や電子回路の中でそれと同じ働きをするのです。

それでは次から電流、電圧、抵抗の関係についてみていきましょう!

オームの法則

オームの法則

image by Study-Z編集部

今まで個別に電流、電圧、抵抗についてみてきました。いよいよこれからはこの3つの関係に着目して電気のルールに迫っていきます!

まず基本中の基本でかなり大切な電気の世界のルール、オームの法則です。上の画像の式で表されます。計算的な側面で言えば電圧、電流、抵抗の3つの内、2つが分かれば最後の1つも分かるということです。

この公式を適用するときに注意してほしいことがあります。それは電圧は抵抗にかかる電圧、電流は抵抗に流れる電流ということです。例えば抵抗が2つ以上存在する回路の場合、それぞれの抵抗に電圧源の値を使ってはいけません。ですから、オームの法則を適用するときは抵抗それぞれに電流にかかる電圧、流れる電流を求めてから使ってください。

物理的な側面でなぜこのようなオームの法則が成り立つかといえば簡単には説明できないのです。オームさんたちが実験を通してこのような式が成り立つことを発見したので経験則だともいえますね。

もっというと抵抗というのはこのオームの法則から定義されています。どういうことかというとオームたちが電圧を電流で割ったものを抵抗と定義したのです。

オームの法則に関しては正しい使い方で計算できれば十分で原理に関しては大学以降の量子力学などの分野で学ぶことができるといった感じですね。

キルヒホッフの法則

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次はキルヒホッフの法則です。キルヒホッフの法則には第1法則と第2法則があるのでまずは第1法則から見ていきましょう。

第1法則は回路中のある点に着目したとき電流の流れ込む量と流れ出る量が等しいという法則です。言い換えれば電流は勝手に消滅したり湧き出したりしないということですね。

例えば電流が2つに分かれている点があったとしましょう。キルヒホッフの第1法則を適用すれば電流が分岐する前の電流と分岐した後の電流の総量は変わらないことが分かりますね。当たり前に思えるかもしれませんが問題を解く上でよく使う法則ですのでしっかりと頭にいれておきましょう!

次に第2法則です。第2法則は回路中を1周りしたときの電位差が0になるというもの。

どういうことかというと水路の例で考えましょう。水を流すためにポンプを設置していましたね。このポンプでくみ上げた水の高さが電圧と対応していました。ではこの水路を一周してみましょう。ポンプから出発して水車を通りポンプに帰ってきます。このとき出発したときの水の高さと帰ってきたときの水の高さは変わりませんよね?キルヒホッフの第2法則はこのことを電気回路で表している法則なのです。

たったこれだけの法則かもしれませんがこのキルヒホッフの第2法則で回路中の方程式が1つ立てられるので大切な法則といえます。これを適用する際に注意してほしいのが電流が回路を一周するのではないということです。イメージとしては人が回路中の電位を調べて回って1周するといったイメージですね。

基本に忠実に!

ここで触れた電気のルールはほんの一部です。しかし今回説明したルールをしっかり理解して使うことができれば高校物理の基本問題から標準問題は瞬殺できます。

並列接続、直列接続が合わさったような複雑な回路でもキルヒホッフの法則で回路全体をみてあげてオームの法則で抵抗ひとつひとつに流れる電流、電圧を調べてあげればほとんどの回路が理解できてしまうのです。

受験で物理を使うけど電気分野が苦手…という方は基本法則に立ち返ってシンプルに回路を追ってあげると綺麗に解ける場合が多いですよ!

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