3分で簡単にわかる!固体が気体に変化する「昇華」とは?物質の状態変化も元家庭教師がわかりやすく解説
昇華する物質は実はこんなにもある
高校の教科書で出てくる昇華の例といえばドライアイス(二酸化炭素)でしょう。しかし、昇華する物質はもちろんこれだけではありません。例えば衣替えで洋服を整理するときに欠かせない防虫剤のナフタレンやパラジクロロベンゼン、アルコール液が消毒薬として用いられているヨウ素、コーヒーやお茶に含まれるカフェインなどがあります。
さらに水もある条件下では氷→水蒸気と昇華するのです。例えば冷凍庫に入れっぱなしの肉や魚がきちんと密封されていなくて干からびてしまったのをみたことがある人もいるでしょう。このいわゆる冷凍焼けは凍った水分が昇華して起きてしまうのです。また、北極に近い地域では洗濯物を外で凍らせて昇華によって乾かしています。
この水の昇華を応用した凍結乾燥やフリーズドライの技術について説明していきましょう。
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化学実験に必須!凍結乾燥
実験で生成した物質から余分な水分を取り除くために行う操作が凍結乾燥です。凍結乾燥は、真空乾燥器や乾燥させたいものを入れて凍結させたフラスコと真空ポンプ(コンプレッサー)を繋ぎ、減圧します。減圧されると水の蒸発する温度が下がり、やがて固体から直接気体へと昇華するようになるのです。
凍結乾燥は化学実験で日常的に行われる操作のひとつ。凍結乾燥をするときは排出された水蒸気を冷やすのに液体窒素やトラップ管を用意したりする必要があり、さらに時間も一晩かかると意外と大がかりです。そのうえ真空乾燥器は1つの研究室に何台もある機械ではないので、使う時は他の人と事前にきちんと使う順番を決めておかないと準備が無駄になってしまうのでよく考えて行いましょう。
毎日のご飯から非常食、お菓子まで「フリーズドライ」
お湯をかけるだけでおいしく食べられるフリーズドライ食品。スープやみそ汁、雑炊などがありますね。また、フリーズドライした果物を使ったチョコレート菓子なども人気です。
フリーズドライは食品に対して凍結乾燥を行います。食品中の水分を昇華させ乾燥させるこの方法は栄養素をそのまま残すことができ、お湯をかけるだけで簡単に食べられると非常食におすすめです。
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