
血液の成分の働きを総まとめ!赤血球・白血球・血小板・血しょうのそれぞれの役割を現役講師がわかりやすく解説!
血小板のはたらき

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生物にとって「血液を失うこと」は、酸素を細胞に送ったり、外敵から身を守り手段を失うことであり、それはすなわち死を意味します。けがをして出血が起きてしまった時、傷口をふさいで血液の流出を防ぐのが血小板の役割です。
血管が破れ、出血してしまうほどの傷を負うと、血小板はその周辺に集まり血液凝固因子という物質を放出します。血液凝固因子はカルシウムイオンなどとともに、血液中のプロトロンビンという物質がトロンビンになるように作用。さらに、このトロンビンがフィブリノーゲンという物質にはたらきかけ、フィブリンという繊維状のたんぱく質を作りだすのです。このフィブリンが赤血球や白血球を絡めとり、血ぺい(血餅)、いわゆるかさぶたになり、止血されます。
無形成分:血しょう
前述の通り、血液中の無形成分は血しょう(血漿)といいます。ここまでご紹介してきた有形成分は、血液のうちの約45%ほど。のこりの約55%は、無形成分である血しょうが占めています。
血液から血しょうのみを取り出すのは簡単です。集めた血液を試験管などに入れて静置しておくだけ。自然と有形成分が集まって沈み、血しょうだけが上澄みになります。時間がない時には遠心分離器にかけ、有形成分の沈殿を早めても良いでしょう。
実際にやってみるとわかりますが、血しょうは無色透明ではなく、うっすらと黄色がかった液体です。純粋な水ではなく、さまざまな物質が溶けていることによります。
血しょうは、その約90%が水ですが、残りの約10%は各種のイオンや糖、ホルモンなどのたんぱく質。細胞にとって必要な成分や栄養が溶け込んでいるのです。
血液の4つの成分、もう言えますか?
ここまで読んでくださった方は、もう血液の4つの成分をすらすらと述べることができるでしょう。自分の全身をめぐっている血液についての知識はしっかりもっておきたいですよね。
それぞれの成分について簡単にみていきましたが、それぞれのはたらきはもっと奥が深く、この記事で詳細なところまで語ることができません。概略をとらえたならば、こんどは各成分について、さらに具体的に学んでいってみましょう。