今回はごみ問題に関する話題の時によく出てくるキーワード「3R」について学んでいこう。

最近始まったことではないが、世間では環境問題に対する課題が日々議論されている。大きな自然災害も増え、災害ごみの問題などが頻出する今だからこそ、復習しておきたいキーワードです。

今回は、環境問題についての講義に力を入れている現役講師のオノヅカユウを招いた。

ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

3Rとは

3Rとは

image by Study-Z編集部

3Rとは、「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」の3つのアクション(行動)のこと。いずれもRから始まっている単語であることから、3Rとまとめられています。

3Rはごみ問題に対して私たちが心がける行動、実際にできるアクションをわかりやすくまとめたキーワードです。政府の環境政策などでも盛んにもちいられていますよね。以下に3Rのそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

リデュース(Reduce)

リデュース(Reduce)は「減らす」を意味する言葉。ゴミの量を減らすためのアクションのことを指します。買い物をした時にもらうビニールの袋や、使い捨てのプラスチック製スプーンなど、最終的にゴミになってしまうような余計なものはもらわない、などの行動がこれに当たるでしょう。

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工業製品をつくって販売するようなメーカーでは、過剰な包装をなくすことや原材料のロスを減らすように製造工程や設備を見直すことなどがあげられます。どれも限られた資源だということを意識し、無駄を少しでも減らせるようにしていかなくてはいけませんね。

今日からできるリデュース(Reduce)

・買い物の際にはマイバックを持参する

・お店がつけてくれる使い捨てのスプーン、フォーク、ストローなどは断る

・簡易包装されている製品を選ぶ

・詰め替え容器や量り売りなどの製品を利用する

・ペットボトルの飲料を買わず、水稲やタンブラーを持ち歩く

・ネット通販などでは、購入時に「簡易包装で構わない」「複数商品を同梱してほしい」などの連絡をする

・シェアリングサービスを利用し、1つのものをみんなで使う

・新しいものを買う時には、壊れにくいもの、長期間使えるものを選ぶ

\次のページで「リユース(Reuse)」を解説!/

リユース(Reuse)

リユース(Reuse)はモノの「再利用」を示します。何でもかんでも1回使ったきりで使い捨てるのではなく、何度か使うこと。または、何度も使えるモノを選ぶことです。

日本では昔から“モノを大切にする文化”、“もったいない精神”が定着していました。まだ使えるものは必要な人にあげたり、逆に使えそうなものを再利用するといった活動は、私たちの得意とするところのはずです。また、壊れたものを簡単に捨ててしまうのではなく、修理して使うことなども重要でしょう。

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今日からできるリユース(Reuse)

・まだ使えるモノは、リサイクルショップ、フリーマーケット、オークションサイト、フリマアプリなどで販売する。逆もしかり。

・壊れた時に修理しやすい製品を選ぶ

・リユースが可能な容器(ガラス瓶などのリターナブル)に入った食品を選ぶ

リサイクル(Recycle)

リサイクル(Recycle)は、すでに日本語化されている言葉ですが、前述のリユースと混同して使われることも少なくないキーワードです。「リサイクルする」こととは、モノをもう一度“サイクル”に戻してあげること。なんの“サイクル”かといえば、モノが原材料から製品になるまでの工程のことです。つまり、使い終わったモノを原材料などにして新しい製品を作ることをいいます。

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実は、使い終わったモノをエネルギー源として使用することもリサイクルに含まれているのが現状です。例えば、プラスチックごみを焼却処分して、その熱で発電することもリサイクルとよんでいます。厳密な意味でのリサイクルといっていいのかわかりませんが、ただ捨てるよりまし、ということなのでしょう。

\次のページで「4R?」を解説!/

今日からできるリサイクル(Recycle)

・ごみを捨てる際の分別や、資源回収を積極的におこなう

・リサイクルされた材料でつくられた製品を選ぶ

4R?

近年、3Rに1つ加えた4Rというキーワードが見られるようになってきました。これは前述の「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」に「リフューズ(Refuse)」を加えたものをいいます。

リフューズ(Refuse)は「断る」という意味の言葉。不要なものを断るようにする、といった行動がこれに当たります。リデュース(Reduce)の中に含まれていた「余計なものをもらわない」という行動が独立したような形です。

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皆さんは「タダだから」「くれるから」という理由で、何でもかんでももらってはいませんか?今この時の資源の無駄が、将来の人間の首を絞めるかもしれません。「いりません」の一言を発する勇気をもちましょう。

サスティナブル?エシカル?

ゴミ問題をはじめとする環境問題を何とかしようと、多くの人が情報発信を行っています。そのなかで、3R(もしくは4R)以外にもよく目にするキーワードがあるので、あわせてご紹介しましょう。

サスティナブル(sustinable)

サスティナブル(sustinable)は、日本語では「持続可能な」という意味をもつ言葉。環境問題が深刻化するにつれて、世界中で頻繁に使われるようになってきました。

私たち人間が地球上で少しでも長い間暮らしていくためには、現状を変える必要があります。極端な話、今の社会を続けていれば資源が枯渇し、異常気象による災害は多発、人類の生存が危ぶまれる可能性すらあるのです。そんなことにならないよう、社会を持続するために、環境に配慮したアクションをとる必要がありますよね。

具体的には、「サスティナブルな製品」「サスティナブルな社会」などのように使われ、環境に配慮していることをアピールするキーワードとなっています。

エシカル(ethical)

エシカル(ethical)とは「倫理的な」「道徳的な」といった意味の言葉です。

環境や生産者・製造者に配慮した製品を選んで購入することを「エシカル消費」といいます。また、自然素材を材料とした洋服・アクセサリーを選んでまとう「エシカルファッション」という言葉も。いずれも、「安い」「簡単」という判断基準から一歩進み、モノができるまでの過程を考えて選ぶことが大切です。

\次のページで「あなたにもできることがある!」を解説!/

あなたにもできることがある!

ありきたりな言葉ではありますが、環境問題・ゴミ問題を少しでも前進させるためは、一人一人の行動が大切です。大きすぎる問題に対し、個人のアクションは無意味に思えるときもありますが、決してそんなことはありません。

例えば、買い物袋や使い捨てスプーンを断って5つのゴミを減らしたとします。それは、「頑張ったところでたった5つのゴミしか減らない」のではなく、「何もしなければ新しく生まれる5つのゴミをなくすことができた」ということ。0より1。あなたの行動は確実に、問題に貢献できるのです。

今日からできること、まずは1つでもやってみませんか?

画像使用元:いらすとや

" /> 3Rについておさらい!リデュース・リユース・リサイクルってなに?現役講師が教えます! – Study-Z
化学理科生活と物質

3Rについておさらい!リデュース・リユース・リサイクルってなに?現役講師が教えます!

今回はごみ問題に関する話題の時によく出てくるキーワード「3R」について学んでいこう。

最近始まったことではないが、世間では環境問題に対する課題が日々議論されている。大きな自然災害も増え、災害ごみの問題などが頻出する今だからこそ、復習しておきたいキーワードです。

今回は、環境問題についての講義に力を入れている現役講師のオノヅカユウを招いた。

ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

3Rとは

3Rとは

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3Rとは、「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」の3つのアクション(行動)のこと。いずれもRから始まっている単語であることから、3Rとまとめられています。

3Rはごみ問題に対して私たちが心がける行動、実際にできるアクションをわかりやすくまとめたキーワードです。政府の環境政策などでも盛んにもちいられていますよね。以下に3Rのそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

リデュース(Reduce)

リデュース(Reduce)は「減らす」を意味する言葉。ゴミの量を減らすためのアクションのことを指します。買い物をした時にもらうビニールの袋や、使い捨てのプラスチック製スプーンなど、最終的にゴミになってしまうような余計なものはもらわない、などの行動がこれに当たるでしょう。

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工業製品をつくって販売するようなメーカーでは、過剰な包装をなくすことや原材料のロスを減らすように製造工程や設備を見直すことなどがあげられます。どれも限られた資源だということを意識し、無駄を少しでも減らせるようにしていかなくてはいけませんね。

今日からできるリデュース(Reduce)

・買い物の際にはマイバックを持参する

・お店がつけてくれる使い捨てのスプーン、フォーク、ストローなどは断る

・簡易包装されている製品を選ぶ

・詰め替え容器や量り売りなどの製品を利用する

・ペットボトルの飲料を買わず、水稲やタンブラーを持ち歩く

・ネット通販などでは、購入時に「簡易包装で構わない」「複数商品を同梱してほしい」などの連絡をする

・シェアリングサービスを利用し、1つのものをみんなで使う

・新しいものを買う時には、壊れにくいもの、長期間使えるものを選ぶ

\次のページで「リユース(Reuse)」を解説!/

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