化学

「空気の密度」は状態方程式から計算。理系ライターがわかりやすく解説

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

空気は目に見えないことに加え、軽すぎて「密度」と言われても想像しにくいが難しく考える必要はない。

空気だって、粒(気体粒子)の集まり。

ある体積中の粒の重さを求めて、それを体積で割れば密度が計算できる。

2.気体粒子の重さ(物質量)を求める

気体粒子の重さ(物質量)は何が関わっているか考えてみましょう。どんな状態の時に気体粒子は多い(or少ない)のでしょうか。

image by Study-Z編集部

イラストに示すように、シリンダの中に気体を入れて、ピストンで封止。ピストンは自由に動かせるものとします。

注射器の針の方を蓋したような状態を想定してください。

気体の粒子の数が何に関係しているか確認する目的です。

image by Study-Z編集部

容器内の気体を2倍に

ピストンは押さえずに、シリンダ内の気体を2倍に増やしてみましょう(気体の粒の数も2倍)。

どうなるでしょうか。言うまでもなく、気体の体積も2倍。気体の粒子の重さ(物質量)は体積に比例しますね。

 

次に、ピストンを固定して気体の量を2倍にしてみましょう。

どうなりますか?

気体の圧力でピストンが押し返されますね。シリンダ内から押してくるモノが2倍に増えるわけですから、押し返してくる圧力が2倍。気体の粒子の重さ(物質量)と圧力は比例しますね。

温度を変えるとどうなるか?

温度を変えるとどうなるか?

image by Study-Z編集部

さて、シリンダを温めてみましょう。すると、気体の量は変わらないのに体積が増えちゃいますね。もしくはピストンを抑えておけば、気体の量は変わらないのに圧力が高くなります。

気体1Lを加熱して、絶対温度Tが2倍の2Tになったとしましょう。このとき熱運動のエネルギーが2倍になりますから、気体が押し寄せてくる力は2倍。圧力or体積が2倍になったのと同じです。

あたかも、冷たいままの空気が2倍あるかのような状態

つまり、温度T、2L=温度2T、1L

温度が高ければ高いほど、気体の量が少ない→絶対温度は気体の量に反比例することが分かります。

3.気体の状態方程式

3.気体の状態方程式

image by Study-Z編集部

2項の内容をを公式にまとめたのが、理想気体の状態方程式

左辺のnRは気体の量を表す指標で、それが圧力Pと体積Vに比例し、絶対温度Tに反比例することを表しています。

nRの内訳は?

nは気体の物質量、気体の粒子数(重さ)を表す指標です。n=1のときの気体の粒子数は6×10^23。気体粒子が6×10^23個集まった時が1molという定義。

Rはnを上記のように定義した時につじつまが合うように設定された定数。Rはモル気体定数と呼ばれる決まった数字です(R=8.3[J/mol/K])

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

空気の量(重さ)を求めたい時、温度、圧力、体積を求めればよい。重さが分かれば、密度も計算可能。

実際にやってみよう。

4.状態方程式を使って空気の密度を計算

さて、いきなりですが以下条件から空気の密度を求めましょう(まさかの記事タイトルは読者が自分で解くパターン)。

・空気1Lの重さから密度を計算すること。

・空気は80%が窒素、20%が酸素、窒素は1molで28g、酸素は1molで32gとする。

問1 空気1Lのうち、窒素と酸素の体積はそれぞれ何[m^2]でしょうか。

問2  空気の圧力を大気圧(1×10^5[Pa])、温度を300K(気温27℃に相当)、気体定数R=8.3とする。気体の状態方程式から窒素と酸素の物質量はそれぞれ何molでしょうか。

問3 問2の結果から酸素と窒素はそれぞれ何gでしょうか。また、空気1Lの重さの合計はいくらでしょうか。

問4 空気の密度は何[g/cm^3]ですか?

問1 解答

合計1Lの空気のうち80%を酸素、20%を窒素なので、窒素の体積VN=0.8L=0.0008[m^3]、酸素の体積VO=0.2L=0.0002[m^2]

問2 解答

窒素の物質量をnN、酸素の物質量をnOとする。気体の状態方程式からnN=(P・VN)/(R・T)、nO=(P・VO)/(R・T)。

値を代入して、窒素の物質量nN=(10^5×0.0008)/(8.3×300)=0.032mol酸素の物質量nO=(10^5×0.0002)/(8.3×300)=0.008mol

問3 解答

窒素の重量=28×0.032=0.896g、酸素の重量=32×0.008=0.256gで合計1.15g。

問4 解答

問3から、空気の密度は1.15g/m^3でこれを単位換算すると、

1.15g/L=0.00115g/cm^3なんと、水の密度の900分の1程度。やはり軽いですね。

\次のページで「おまけ例題」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: