
3分で簡単!「化合」を元家庭教師がわかりやすく解説!
身の回りにはたくさんの化合物がある。例えば空気中にある二酸化炭素は酸素と炭素からできた化合物です。一方、同じく空気中にある窒素や酸素は化合物ではない。この違いについて高校時代の思い出の大半は化学室というリケジョ、たかはしふみかと解説していきます。

ライター/たかはし ふみか
高校時代は化学部に所属、国立大学の工学部化学系で研究の傍ら家庭教師のバイトをしながら修士課程を修了したというリケジョ。卒業後は化学工場で働く。自他ともに認める不器用だが化合物のろ過をたくさんしたので、ろ紙はそこそこ上手に折れる。
化学の基礎中の基礎、化合物と単体

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化合について学ぶにはまず「物質」の分類について知る必要があります。空気を例に物質の種類を確認していきましょう。
空気には窒素や酸素、二酸化炭素と様々な物質が含まれています。このように2種類以上のいろいろな物質が混ざっているものが混合物です。反対に何も混ざっていない1種類の物質がある状態の物を純物質と呼びます。例えば塩化ナトリウム水溶液(塩水)は塩化ナトリウムと水の混合物ですが、塩化ナトリウムと水はそれぞれ純物質です。
混合物は沸点など性質の違いを利用して混合物を単体と化合物に分けることができます。単体とは窒素や酸素のように1種類の元素のみからなるものです。そして2種類以上の元素が組み合わさってできた二酸化炭素のような物質を化合物と言います。
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化合物の見分け方

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まず混合物と純物質を見分けるときに気を付けたいのが結合しているか、という事です。例えば塩化ナトリウムと水の混合物である塩化ナトリウム水溶液(塩水)。水は酸素と水素が共有結合、塩化ナトリウムは塩素とナトリウムがイオン結合してできています。しかし、水と塩化ナトリウムは混ざっているだけで化合していません。
そして純物質を化合物と単体を見分けるときに気を付けたいのが物質に含まれている元素の数です。先ほど説明したように単体は元素が1種類からできているのに対して、化合物は2種類以上からできています。そのため、化学式を見れば単体か化合物かが簡単に確認することができるのです。
簡単にまとめると化学式で表せないのが混合物、化学式で表せるのが純物質となります。そして元素が1種類なら単体、2種類以上なら化合物です。もしテストで物質の分類に関する問題が出たら、これを基準に分けてくださいね。
化合の様子を表す!化学反応式

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2種類以上の物質が化合して新たな化合物となる様子は化学反応式で表されます。
例えば水。水は水素と酸素の分子が反応して水ができます。この時注意したいのが反応に関わる分子の数です。水分子は1つの酸素原子と2つの水素元素からできています。しかし1つの酸素分子と水素分子に含まれる原子の数はそれぞれ2つずつです。もし、1つの酸素分子と水素分子から1つの水ができるとしたら、酸素原子が1つ余ってしまいますね。
化学反応式を書くときは左に反応する反応物、右に反応によってできた生成物を書きます。そして反応に関わるそれぞれ原子の数が必ず左右で同じになるようにするのです。水素と酸素から水を作るという化学反応式の場合、左に水素と酸素の分子、右に水分子が来ます。水は1つの酸素と2つの水素から成り立っていますね。つまり1つの酸素分子と2つの水素分子が反応すれば水分子が2つできるのです。
単体の酸素と水素が反応してできる水の化学反応式は簡単ですが、複数の化合物が出てくると化学反応式はどんどん複雑になります。複雑な化学反応式でそれぞれの分子がいくつあるかを求める方法については、別の機会に説明しましょう。
ここで実験、水素と酸素を化合させて水を作る方法

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水素は実験で簡単に発生させることができる物質です。二股試験管にそれぞれ亜鉛と塩酸を入れ、亜鉛に塩酸をそそぐと反応させて得られます。ちなみに亜鉛は単体、そして塩酸は化合物である塩化水素と水の混合物です。発生した水素は水上置換法によって集めることができます。水上置換法についてはこちらの記事を読んでくださいね。
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集めた水素にマッチの火を近づけると水素が燃えて、水ができます。水素が酸素と化合して水になったのですね。試薬さえあれば簡単にできる実験ですが、水素と酸素が混ざった状態で加熱すると大爆発になることがあります。実験を行う時はしっかりと手順を確認し、燃えやすい物はそばに置かない、火を消す用意をするなどの安全来策を必ず行いましょう。
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