
木星の衛星
NASA/JPL/DLR – http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA01299 (direct link), パブリック・ドメイン, リンクによる
木星には60個以上の衛星があるといわれていますが、中でも17世紀初めにガリレオによって発見された4大衛星である、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストは有名です。これらはガリレオにちなんでガリレオ衛星とも呼ばれます。ガリレオはこれらの衛星の動きを観察することによって、地動説を確信したそうです。今回はその中からイオとエウロパについて見てみましょう。上の図は左から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。
イオについて
NASA / JPL / University of Arizona – この画像もしくは映像物は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のジェット推進研究所により、ID: PIA02308 で公開されています。, パブリック・ドメイン, リンクによる
イオは木星の第1衛星になります。直径は約3600キロメートルで太陽系の衛星の中では4番目の大きさです。イオには400個を超える火山があり、太陽系の中で最も地質学的に活発な天体と考えられています。この地質活動の原因は木星と他の衛星による潮汐力です。つまり、木星などの重力が原因で衛星の形が周期的に歪められ、内部が摩擦熱で高温になっています。これが岩石を溶かし溶岩となって噴き出す火山活動のエネルギー源です。イオの表面の大部分は硫黄と二酸化炭素の霧で覆われた広い平原からなっているため、望遠鏡画像はけっこうグロテスクに見えます。
エウロパについて
NASA/JPL/DLR – http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA00502 (TIFF image link), パブリック・ドメイン, リンクによる
エウロパは木星の第2衛星で直径は約3200キロメートル、ガリレオ衛星の中では最小です。エウロパは水の氷の地殻をもっているのが特徴で、氷の表面に数多くの筋が縦横無尽に走っています。表面の氷の厚さは数十キロメートルあり、ひび割れの原因はイオと同じく、潮汐力による内部の熱のための膨張のようです。エウロパの表面の下には液体の水が存在し、熱により液体の状態にたもたれていると考えられています。この海には生命が存在していると考える科学者もいるようです。
太陽系第1の巨大惑星

image by Study-Z編集部
今回は太陽系最大の惑星である木星について簡単に紹介しました。さすがに最大の惑星はスケールが大きく、もし木星の近くで観察できたとしたらその圧倒的な現象の数々に度肝を抜かれるに違いありません。今回は触れられませんでしたが、その巨大な重力によって太陽系の構造自体にも大きな影響を与えているようです。木星ことを学ぶときはその圧倒的スケールを常に意識しながら学んでみてください。