
意味や単位をおさらい!「質量・体積・密度」について元塾講師がわかりやすく解説
そもそもの違いや単位の書き方・変換方法を知らないと余計に難しく感じるでしょう。これまでの解説でも頻繁に出てきたワードですね。
今回はそのおさらいをしていこう。さあ、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していきます。

ライター/Ayumi
理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。
1.質量は物質の動きにくさの度合い

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質量とは物体そのものの重さをいったほうがわかりやすいかもしれませんね。しかし本質は、物質の動きにくさの度合い、物体にはたらく慣性の大きさを意味しています。
例えば、小さなボールは簡単に転がすことができますが、大きなトラックはいくら押しても動かすのが難しいでしょう。物質の動きにくさの度合いを考えたとき、質量が小さいほど動かしやすく、質量が大きいほど動かしにくい。こう考えることができますね。ただし、小さいから質量も小さいかどうかはわからないというのが面白いところです。これについて興味がある人は、ぜひ「ブラックホール」について調べてみてくださいね。
1-1.質量と重量、重さの違いは?
質量と似た言葉に重量と重さがあります。質量も重量も重さでしょ?と思うかもしれませんが、実はそれぞれ意味するものが異なるのです。
まず質量というのは物体そのものの量を示します。つまり、それが水の中であろうと、宇宙であろうと、質量自体は変化しないものと考えましょう。単位は皆さんもよく知っているキログラム kg やトン t です。
次に重量というのは、物体にがたらく重力の大きさを指しています。月の重力が地球の6分の1ということは知っていますか?これは、体重60kgの人が月では10kgになってしまうということです。重量というのは環境によって変わってしまうものではありますが、当然私たちは地球で生活をしているのですから、重量も質量も同じと考えてしまうのは無理もありませんね。重量の単位は重力の大きさですからニュートン N です。これは質量に重力加速度をかけた単位ですが、質量の単位を用いて kg重 とする場合もあります。
そして重さも重量と同じく、重力の大きさを意味する言葉だということを覚えておきましょう。
1-2.体重計で量るのは質量?重量?

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少しややこしい話になりますが、頭の中を整理して聞いてくださいね。
もしあなたが地球の至る所で体重を量ることができたとしたら、きっとどこで量っても変わりないはずですよね。もちろん試すのは難しいですが、もしもの話です。つまり、体重が意味するのは質量ということになりますね。
しかし実際にはそうではありません。日本国内でも北と南では100kgの人では100g以上の差が出てきてしまいます。これは地球の自転による遠心力がはたらくために緯度によって重力加速度に変化が生じるからです。
重力加速度によって変化するのは質量ではなく重量でしたね。つまり、体重計は重量を計測し、質量に換算することで体重として表示しているのです。より正確な質量を計測するため、重力加速度の差を補正するための地域設定機能を備えた体重計も販売されているんですよ。
ということで、体重計で量るのは重量(重量を換算することで質量を求めている)が正解でした。
2.体積は3次元の広がり

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体積は縦×横×高さで求められるアレですよね。縦×横という平面で2次元の世界に、高さという軸が加わることで3次元の立体になります。この立体の大きさを見るものと考えてもいいでしょう。質量は見た目では判断できませんが、体積は見た目に比例します。大きいものは体積が大きいし、小さいものは体積が小さいといえるのです。もちろん、それが重いか軽いかは別の話しですよね。
単位はややこしく、立方センチメートル wp_3 やリットル L、シーシー cc など様々です。ここでは基礎知識として 1wp_3 = 1mL= 1cc と覚えておくのがいいでしょう。
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