image by Study-Z編集部
物体が加速度 a で図の右側に加速運動しています。
当然、糸も物体と同じく加速度 a で図の右向きに加速運動しているはずですね。
糸の質量が m でしたので、糸の受ける力を 左右から T1 とT2 とすると、糸の運動方程式は
ma = T2-T1
となります。
さて、ここで糸の質量に注目。
問題では糸は「軽い」と表現されていることがありますが、これはすなわち
m ≒ 0
であるということと考えて良さそうです。
したがって、
ma = T2-T1
0☓a ≒ T2-T1
0 ≒ T2-T1
ゆえに、T1≒ T2 となります。
そうですね、糸の質量が 0 だとみなせる場合においてのみ、張力はどこでも等しいと考えて良いというわけです。
つまり「糸が軽い」という但し書きはこのことを示していたのですね。
張力が同じではない場合
そうなると、張力がどこでも同じだとは言えない場合ももちろん存在するはずです。
そうですね。それは、糸の質量が無視できない場合です。
次の図では、物体を引くものは糸ではなく、質量の無視できないロープだとします。
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このような場合は、糸の張力はどこでも等しいというわけではありません。
部分部分で糸の張力は変化するはずです。
本当は軽い糸の場合も同様に部分部分で糸の張力は違うはずですね。
しかし、「軽い」糸の場合は、それをほぼ誤差の範囲だとしているのです。
用語の理解を大切に
張力はあまり解説されない物理用語です。
本などでは、
「糸などに働く力を張力という。張力はどこでも等しくなる」
とサラッと書いてあることが多いのですが、このようなことも昔の人はきっと必死になって考えたことでしょうね。
学問というものはすべて「なぜか」を問う営みです。
よくわからないから暗記しておこう…では自然に対して深い理解を得ることは難しくなります。
たとえ今すぐに答えが出なくても、考え続ける…という姿勢が大事なのですよ。