今回は火星ついて解説していきます。

最近は火星という言葉聞く機会も多いでしょう。理由は有人火星飛行が世界中で計画されているからです。いつになるかはわからないが、人類が3番目に降り立つ天体は間違いなく火星なるでしょう(1番目は地球で2番目は月)。何かと話題の火星について現在わかっていることを見てみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していきます。

ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

火星について

image by iStockphoto

火星は地球のすぐ外側を回っている惑星であり、昔から月についで有人探査計画の目標先でした。そういう理由もあって今まで数々の探査がなされてきました。近年では有人探査が現実的な計画段階に入り、日本を含め様々な計画および観測が世界各国で行われています。今回はこのように我々人類にとって、比較的身近な惑星である火星について紹介しましょう。

火星の基本データ

Mars Earth Comparison.png
RHorning and later modified by Scooter20 - 投稿者自身による作品, based on the these sources., パブリック・ドメイン, リンクによる

火星は太陽系4番目の惑星であり、地球の軌道の1.5倍ほど、太陽より約2億3000万キロメートルのところを686.98日で公転しています。直径は約6800キロメートルであり、地球の半分以下です。そのため質量は地球の10分の1以下ですので、地表面の重力は地球の3分の1しかありません。自転周期は24.6229時間と地球とほぼ同じであり、自転軸も地球と同じように25.19度傾いているため火星にも季節が存在します。地球と同じく岩石型の惑星です。なので地表面には地球と同じく硬い地面があります。上記の画像のように火星が赤褐色に見えるのは、地表に酸化鉄が大量に含まれているためです。

火星の大気について

Mars atmosphere.jpg
NASA - http://solarsystem.nasa.gov/multimedia/gallery/Mars__atmosphere.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる

このように太陽系の惑星の中では比較的地球に似ている火星ですが、現在の大気の状態が大きく違います。火星の大気は主に二酸化炭素で構成されていて気圧は地表面で0.0075気圧、すなわち地球の約0.75パーセントしかありません。そのため温暖化効果が不十分であり、火星の平均気温は摂氏マイナス50度以下です。よって地表面では液体の水は存在できません。火星の大気の上層部からは、火星の大気が宇宙空間に漏れていっているようなので、火星の大気組成も長期的には変化していく可能性が指摘されています。大気が薄いことや昼夜の温度差が大きいことなどが原因で、20キロメートルもの巨大な竜巻や、火星全体を覆う砂嵐などがみられるのも火星の特徴です。

火星の地形について

PIA16204-MarsCuriosityRover-Rocknest-20120928.jpg
NASA/JPL-Caltech/MSSS - http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpeg/PIA16204.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる

火星の地形は変化にとんでいます。地表面は主に玄武岩と安山岩ができていて山も存在することから、少なくともかつては火山活動があったことは確かです。その一方で地球のようなプレートテクトニクス、すなわち大陸移動のようなものの存在はまだ確認されていません。北半球は溶岩流によって平らにされたと思われる平原が広がっていて、南半球には窪地やクレーターが存在する高地が多くなっています。南極と北極には水と二酸化炭素の氷からなる塊があり、これが極冠よばれるものです。火星にも季節があるため極冠の大きさは季節によって変化します。上記の画像は探査機キュリオシティが2012年に撮影した火星表面の画像です。

太陽系最大の火山について

Mars-volcano-eruptions-could-have-brought-water 55587 600x450.jpg
NASA/Corbis - The image occurs in an article entitled, "Mars Has "Oceans" of Water Inside?", url=http://news.nationalgeographic.com/news/2012/06/120626-mars-water-mantle-oceans-meteorites-space-science/., パブリック・ドメイン, リンクによる

火星の地形の白眉といえばタルシス高地あるオリンポス山でしょう。高さが約2万7000キロメートル、裾野は約550キロメートルにもなる、現在確認されているかぎりで太陽系最大の火山です。エベレストが8850キロメートルですので、およそ3倍の高さになります。形状は楯状火山の形状で火口付近の窪地、いわゆるカルデラは長径80キロメートル、短径60キロメートル、深さが3キロメートルもあり、日本の富士山がすっぽり入ってしまう大きさです。長らく死火山と思われていましたが、2004年に240万年前の噴火の形跡が発見されました。もしかすると太陽系最大の火山は活火山かもしれません!

\次のページで「火星の水について」を解説!/

火星の水について

Nasa mars opportunity rock water 150 eng 02mar04.jpg
NASA/JPL/US Geological Survey - http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/pia05474, パブリック・ドメイン, リンクによる

火星には昔から水の存在の可能性が指摘されていました。理由のひとつは火星の地形に氷河動いたようなあと、土石流がたまったようなあと、水が流れてようなあとなど、明らかに水が存在しないとできないような地形があったことです。2004年の探査機スピリットとオポチュニティの探査で、針鉄鉱や鉄ミョウバン石など水が存在しないとできない鉱物が発見されたことにより、少なくとも液体の水の存在した時期がある証拠が確認されています。さらに、2008年に探査機フェニックスが北極で氷を発見していますので、極地に氷が存在することは確かです。上記の画像は火星の岩石の顕微鏡写真で、水の作用によってできたと見られるまん丸の構造がみられます。

火星の生命について

ALH84001 structures.jpg
NASA - https://web.archive.org/web/20051218192636/http://curator.jsc.nasa.gov/antmet/marsmets/alh84001/ALH84001-EM1.htm, パブリック・ドメイン, リンクによる

火星に水が存在することが確認されたので、次はやはり生物がいないだろうかということになります。昔から火星には生物の存在する可能性が指摘されてきましたが、火星の画像を見る限りどうやら大型の生物は存在しないようです。現在は微生物の探査が続けられていますが、いまのところ確定的な証拠は見つかっていません。生物の痕跡とも見られる微細構造や、火星に含まれる微量のメタンが生物由来ではないかという意見もありますが、どれも確定的な証拠とは言えないないようです。上記の画像は地球の南極大陸で発見された、火星由来とみられる隕石の電子顕微鏡写真になります。生物が存在しないとできない構造だと考える研究者もいるようです。

火星の衛星について

フォボス (2008年撮影)
NASA / JPL-Caltech / University of Arizona - http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA10368, パブリック・ドメイン, リンクによる

あまり有名ではありませんが、火星はフォボスとダイモスという2つの衛星をもっています。フォボスは太陽系の惑星の衛星の中で最も惑星に近く、公転軌道は火星表面から6000キロメートル以内です。火星に近いため公転速度が速く、火星の自転速度よりも速いため火星からみると1日に2回上ってきます。フォボスは半径約11キロメートルで十数個のクレーターがあるようです。ダイモスはフォボスより外側を公転していて、半径は約6.2キロメートルでフォボスより小ぶりになります。フォボスもダイモスも、火星に捕獲された隕石か火星に隕石が衝突してできたものか、現在でも結論はでていません。上記の画像はフォボスの画像です。

人類に身近な火星

人類に身近な火星

image by Study-Z編集部

今回は火星について説明しました。現在、有人火星探査が計画されていますが、まだ技術的にすべての課題が解決できたわけではありません。ロボットの性能が向上し続けている以上、有人探査にはこだわる必要がないという意見もあるようです。有人探査が実現するかどうかは不透明ではありますが、いずれにしろ人類が3番目に降り立つ惑星があるとすれば、やはりそれは火星になるだろうと思います。将来的に火星の環境を、人類が生活しやすい環境に変えてしまうという計画まであるようです。いつの日か火星に降り立つ人類を想像しながら、火星のことを調べてみるのも楽しいと思います。

" /> 「火星」について理系ライターが丁寧にわかりやすく解説 – Study-Z
地学宇宙理科

「火星」について理系ライターが丁寧にわかりやすく解説

今回は火星ついて解説していきます。

最近は火星という言葉聞く機会も多いでしょう。理由は有人火星飛行が世界中で計画されているからです。いつになるかはわからないが、人類が3番目に降り立つ天体は間違いなく火星なるでしょう(1番目は地球で2番目は月)。何かと話題の火星について現在わかっていることを見てみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していきます。

ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

火星について

image by iStockphoto

火星は地球のすぐ外側を回っている惑星であり、昔から月についで有人探査計画の目標先でした。そういう理由もあって今まで数々の探査がなされてきました。近年では有人探査が現実的な計画段階に入り、日本を含め様々な計画および観測が世界各国で行われています。今回はこのように我々人類にとって、比較的身近な惑星である火星について紹介しましょう。

火星の基本データ

Mars Earth Comparison.png
RHorning and later modified by Scooter20投稿者自身による作品, based on the these sources., パブリック・ドメイン, リンクによる

火星は太陽系4番目の惑星であり、地球の軌道の1.5倍ほど、太陽より約2億3000万キロメートルのところを686.98日で公転しています。直径は約6800キロメートルであり、地球の半分以下です。そのため質量は地球の10分の1以下ですので、地表面の重力は地球の3分の1しかありません。自転周期は24.6229時間と地球とほぼ同じであり、自転軸も地球と同じように25.19度傾いているため火星にも季節が存在します。地球と同じく岩石型の惑星です。なので地表面には地球と同じく硬い地面があります。上記の画像のように火星が赤褐色に見えるのは、地表に酸化鉄が大量に含まれているためです。

火星の大気について

Mars atmosphere.jpg
NASA – http://solarsystem.nasa.gov/multimedia/gallery/Mars__atmosphere.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる

このように太陽系の惑星の中では比較的地球に似ている火星ですが、現在の大気の状態が大きく違います。火星の大気は主に二酸化炭素で構成されていて気圧は地表面で0.0075気圧、すなわち地球の約0.75パーセントしかありません。そのため温暖化効果が不十分であり、火星の平均気温は摂氏マイナス50度以下です。よって地表面では液体の水は存在できません。火星の大気の上層部からは、火星の大気が宇宙空間に漏れていっているようなので、火星の大気組成も長期的には変化していく可能性が指摘されています。大気が薄いことや昼夜の温度差が大きいことなどが原因で、20キロメートルもの巨大な竜巻や、火星全体を覆う砂嵐などがみられるのも火星の特徴です。

火星の地形について

PIA16204-MarsCuriosityRover-Rocknest-20120928.jpg
NASA/JPL-Caltech/MSSS – http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpeg/PIA16204.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる

火星の地形は変化にとんでいます。地表面は主に玄武岩と安山岩ができていて山も存在することから、少なくともかつては火山活動があったことは確かです。その一方で地球のようなプレートテクトニクス、すなわち大陸移動のようなものの存在はまだ確認されていません。北半球は溶岩流によって平らにされたと思われる平原が広がっていて、南半球には窪地やクレーターが存在する高地が多くなっています。南極と北極には水と二酸化炭素の氷からなる塊があり、これが極冠よばれるものです。火星にも季節があるため極冠の大きさは季節によって変化します。上記の画像は探査機キュリオシティが2012年に撮影した火星表面の画像です。

太陽系最大の火山について

Mars-volcano-eruptions-could-have-brought-water 55587 600x450.jpg
NASA/Corbis – The image occurs in an article entitled, “Mars Has “Oceans” of Water Inside?”, url=http://news.nationalgeographic.com/news/2012/06/120626-mars-water-mantle-oceans-meteorites-space-science/., パブリック・ドメイン, リンクによる

火星の地形の白眉といえばタルシス高地あるオリンポス山でしょう。高さが約2万7000キロメートル、裾野は約550キロメートルにもなる、現在確認されているかぎりで太陽系最大の火山です。エベレストが8850キロメートルですので、およそ3倍の高さになります。形状は楯状火山の形状で火口付近の窪地、いわゆるカルデラは長径80キロメートル、短径60キロメートル、深さが3キロメートルもあり、日本の富士山がすっぽり入ってしまう大きさです。長らく死火山と思われていましたが、2004年に240万年前の噴火の形跡が発見されました。もしかすると太陽系最大の火山は活火山かもしれません!

\次のページで「火星の水について」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: