3分で簡単副腎皮質刺激ホルモン!現役講師が簡単わかりやすく解説!
ヒトの体の中ではたらくホルモンは種類も多く、紛らわしいものも多い。それぞれのホルモンを分泌する器官や機能、過剰や不足で何が起きるのか、などを一つ一つ確認していくのが、得点アップへの近道です。
副腎皮質刺激ホルモンについて解説してもらうため、生物のからだに詳しい現役講師のオノヅカユウを招いたぞ。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
副腎皮質刺激ホルモンとは?
副腎皮質刺激ホルモンは、間脳の視床下部、そのすぐ下に存在している脳下垂体という器官から分泌されるホルモンです。
英語ではAdrenocorticotropic hormoneといい、頭文字をとってACTH(アクス)と記述されることもあります。ホルモンの名前が長いので、こちらの名称でよばれることのほうが多いかもしれません。
脳下垂体とは?
By Henry Vandyke Carter – Henry Gray (1918年) Anatomy of the Human Body (See “ブック” section below) Bartleby.com: Gray’s Anatomy, Plate 1180, パブリック・ドメイン, Link
ホルモンについて学ぶとき、それがどの内分泌器官で産生・分泌されるのかをおさえるのはとても大切です。副腎皮質刺激ホルモンは脳下垂体の前葉から分泌されています。
脳下垂体は指先ほどの大きさしかない、小さな豆のような器官です。そんなサイズにもかかわらず、副腎皮質刺激ホルモンをはじめとした複数のホルモンの分泌に関係しています。この脳下垂体に腫瘍ができるなどの異常が生じると、複数のホルモンの分泌にも大きな影響が現れるんです。
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副腎皮質刺激ホルモンの構造
副腎皮質刺激ホルモンは39個のアミノ酸がつながってできているペプチドホルモンの一種です。分子量は4500ほどであることがわかっています。
副腎皮質刺激ホルモンのはたらき
副腎皮質刺激ホルモンは副腎で作用し、副腎皮質からのホルモン分泌を促進するというはたらきがあります。副腎皮質刺激ホルモンの刺激によって、糖質コルチコイドなどのホルモン分泌量が増加するのです。副腎皮質刺激ホルモンによって分泌量が調節されるホルモンは、まとめて副腎皮質ホルモンともよばれます。
糖質コルチコイドは、コルチゾールという化学物質が主成分である重要なホルモン。グルココルチコイドという名前でよばれることもありますが、「糖質」や「グルコ」という単語が含まれていることからもわかるとおり、血糖調節に関係しているホルモンです。肝臓での糖新生を促進し、血液中の血糖量を増やします。
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