

今回解説する熱力学第2法則は「~~できない」「~~は不可能である」というような表現で示されることも多い。物理ではなかなか珍しい表現だな。
今回は熱力学第2法則についてタッケさんと解説していくぞ。
- 熱力学第2法則
- クラウジウスの原理
- トムソンの原理
- 第2種永久機関
- 地球温暖化とエネルギー問題
この記事の目次

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タッケ
物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。第1種永久機関が不可能なのは子供でもわかるレベルだが、第2種永久機関は熱力学第1法則に反していないのでわかりにくい。真剣に研究している人もいるとか。
・熱は高温の物体から低温の物体へ移動し、自然に低温の物体から高温の物体へ移動することはない
・ただ一つの熱源から熱を受け取って、それを全て仕事に変え、それ以外に何の変化も残さないような過程は実現不可能である
・熱効率 100 %の熱機関は不可能である
・第2種永久機関は存在しない
お気づきでしょうか。
これらの法則は物理には珍しく否定形で表現されています。
物理の法則といえば数式がつきものですが、上記表現においては数式は登場しません。
熱力学第2法則における数式表現と言えるものはエントロピー増大の法則ですが、これについては以下の記事も参考にしてください。
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熱力学第2法則?わかりにくい「エントロピー」を理系ライターが解説 – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

エントロピー増大の法則も熱力学第2法則の表現のひとつなのだな。
エントロピーは物質の状態についての指標とも言えるものだ。
よく乱雑さを示すとも言われているがな。
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