
硬葉樹林
硬葉樹林は硬い葉を持つ木々で構成されています。この硬い葉には、蒸散を防ぐ効果があり、夏に雨の少ない地域で育つのに適しているのです。
針葉樹林
そして、最後に針葉樹林について解説します。針葉樹林は、森林の中でも寒い地域、寒帯、亜寒帯に形成されるバイオームです。シベリアやアラスカ、日本の北海道などには針葉樹林が多く生育しています。針葉樹林は他なの森林のバイオームに比べて、樹種が豊富ではありません。シラビソなどのモミ類、エゾマツなどのトウヒ類が優占種で、常緑針葉樹で構成されています。

バイオームには荒原、草原、森林の3つがあって針葉樹林は森林の一つなんだな
バイオームの形成

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さて、針葉樹林というのはバイオームの中でも森林の一つであることは理解していただけましたでしょうか。森林はいろんな木々で構成されていますが、いきなり森林ができるわけではありません。何もないところから、荒原になり草原になり最後には森林が完成するのです。森林の一つである針葉樹林が形成されるまでにも様々なステップがあります。続いてはそんなバイオームの形成について解説していきましょう。
バイオームの遷移
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上記にもあるようにバイオームはさまざまなステップを経て形成されていくのです。このような植生が時間をかけ移行様子を遷移と言い、遷移が進行しきってもうこれ以上変化しないといった限界の状態のことを極相と言います。そしてこの遷移は大きく分けて2種類あり、それぞれ一次遷移と二次遷移というのです。
一次遷移
一次遷移が始まる始まる場所としては主に次の5つが挙げられます。火山の噴火によって溶岩が流れ、それが冷え固まった土地、土砂や岩が堆積した土地、廃土が堆積した土地、海洋上に突如出現した島などの土地、新しく湖となった土地などです。
はじめに挙げた4つのように陸上の裸地から始まる遷移を乾燥遷移、湖などから始まる遷移を湿性遷移と言います。
まず、一次遷移のスタートは裸地です。この状態の時は土壌はほぼ形成されておらず、保水力も栄養もありません。しかし、このような状況でもコケ植物などは生育することができます。コケ植物などが増え次第に荒原となるのです。植物が増えていくと次第に薄い土壌が形成され草原となります。草原が進行していくにつれて、その草原の草木によって土壌が発達し、低木林ができるのです。この段階ではまだ木はあまりないので、光をいっぱいに浴びることで成長する陽樹が増えていきます。
そうして陽樹林が形成されるのです。陽樹林の密度が増えていくと、だんだん陰樹という光をあまり浴びなくても生育できる木が増えていきます。そうして、陽樹と陰樹が混ざってできるのが混交林です。しかし、木の密度が増えるにつれ、一本の木が受け取ることのできる太陽の光の量が減り、上層が覆われ日の光が入ってこなくなっても成長できる陰樹の割合が多くなっていきます。そうしてできた陰樹林が最も安定した状態の極相林となるのです。
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