
3分で簡単にわかる「アルカリ土類金属」!元素の特性や炎色反応も元家庭教師がわかりやすく解説

例えば18族の希ガスは安定していて反応しづらく、17族のハロゲンは1価の陰イオンになりやすい。また1族は気体の水素を除いてアルカリ金属と呼ばれていて、水と反応して強アルカリ性の水酸化物ができる。そして2族はベリリウムとマグネシウムを除いてアルカリ土類金属と呼ばれている。
アルカリ土類金属にどんな特性があり、どんな元素が含まれているかについて元素周期表好きの化学ライター、たかはしふみかと説明していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/たかはし ふみか
高校では化学部に所属し、国立大学の工学部化学科大学院を修了。学生時代は研究の傍ら家庭教師のバイトをしていた。愛用しているのは元素周期表のマグカップと元素周期表のペン立て、部屋では元素周期表柄のTシャツを着ている元素周期法マニア。
アルカリ土類金属とは?

image by Study-Z編集部
まずはアルカリ土類金属について確認しましょう。アルカリ土類金属とは周期表の左から2列目、2族に属する元素の呼び名です。ただし、2族であっても第2周期のベリリウムBe、第3周期のマグネシウムMgはアルカリ土類金属ではありません。
カルシウムCa、ストロンチウムSr、バリウムBa、ラジウムRaの4つの元素は、1族のアルカリ金属と土の中から得ることのできるアルミニウム化合物の中間的性質をしています。このことから「アルカリ土類金属」と言う名前が付けられました。
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アルカリ土類金属共通の性質
アルカリ土類金属はその名の通り金属元素で、常温では固体の状態となっています。融点は高いものの金属としてはとても柔らかく、密度も小さめです。天然では単体としては存在せず、鉱物や海水中にイオンとして存在しています。
アルカリ金属と性質がよく似ているアルカリ土類金属。アルカリ金属と同様にイオン化傾向が高く、周期表で下に行くほどより反応しやすく2価の陽イオンとなります。そして空気中で酸化しやすく常温で水と反応し、できた水酸化物は水に溶けて塩基性を示すのです。
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カルシウムやバリウムはよく聞くが、ストロンチウムやラジウムはあまりなじみがない元素だな。それではアルカリ土類金属に属するそれぞれの元素に、どんな特徴があるか勉強していくぞ。
1.体を丈夫にしてくれるカルシウムCa

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牛乳に含まれていて骨を丈夫にしてくれるカルシウム。アルカリ土類金属の中で最もなじみ深い元素ですね。
カルシウムには酸化カルシウム(生石灰)CaO、水酸化カルシウムCa(OH)2などたくさんの化合物があります。この水酸化カルシウムを飽和するまで溶解させた水溶液が石灰水です。二酸化炭素を吹き込むと白く濁る、と中学校の時に学んだ人も多いでしょう。
炭酸カルシウムCaCO3は石灰石、大理石、貝殻などに含まれている物質です。炭酸カルシウムは水には溶けません。石灰水に二酸化炭素を吹き込んで白くなるのは、水酸化カルシウム二酸化炭素が反応してできた炭酸カルシウムのせいなのです。しかし、炭酸カルシウムはさらに二酸化炭素と反応すると炭酸水素カルシウムとなり、また水に溶けるようになります。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
CaCO3+H2O+CO2→Ca(HCO3)
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