化学無機物質理科

「アルミニウム 」の特徴と製法について元研究員がわかりやすく解説

2-1.工程1(ボーキサイトを高温の水酸化ナトリウムで溶かし、ろ過する)

金属を溶解する時には、ほとんどの場合「酸」を使用します。しかし、アルミニウムが両性元素(酸にも塩基にも溶ける)という性質を利用して、ここでは「塩基」である水酸化ナトリウム(NaOH)に溶かします

ボーキサイトに含まれている不純物である酸化鉄(Fe2O3)は塩基には溶けないので沈殿したままです。そうすることで不純物である酸化鉄を除去します。

溶液部分には水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が、沈殿には不純物である酸化鉄が含まれているので、ろ過によりアルミニウムが含まれている溶液だけにしましょう。

Al2O3  +  2OH–  +  3H2O  →  2[Al(OH)4]–

2-2.工程2(溶液に少量の水酸化アルミニウムを加え冷却し、ろ過する)

水酸化ナトリウムに溶かしたことにより、酸化アルミニウムは水酸化アルミニウムになりました。

水酸化アルミニウムが含まれている溶液に、核となる少量の水酸化アルミニウムを加えしばらく放置(高温だった溶液を常温まで冷却)します。するとゆっくり白色の綿状固体である水酸化アルミニウムの沈殿ができてきます

ここで、溶液はアルカリ性が強いため、不純物であるケイ素を含んだケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)は溶液中に溶けたままです。ろ過をして沈殿のみを取り出すことによりケイ素(Si)を除去することができます。

2-3.工程3(加熱する)

ろ過によって得られた水酸化アルミニウムの固体を、高温で加熱することで脱水し、酸化アルミニウム(Al2O3)にします。この時水は、沸点よりも高い温度で熱せられているので、気体となって現れるのです。

2Al(OH)3 → Al2O3 + 3H2O

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バイヤー法は不純物を除去して純粋な酸化アルミニウムを得る方法なんだな。1888年にバイヤーさんが発見して、今日にもアルミニウム精製の過程として利用されている、画期的な方法だということを覚えておこう。

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