
「溶解」ってどんな現象?化学好き主婦が身近な例でわかりやすく解説!
3-2. 界面活性剤
エタノールは分子の中に「水になじみやすい部分(親水基)」と「油になじみやすい部分(親油基、疎水基ともいう)」を併せ持っているので、水に少しずつ混ぜていくと、混合物の表面張力が急激に減少するという性質があるのです。このような現象を表面吸着といい、エタノールのように混合すると表面張力が下がるはたらきをする物質を界面活性剤といいます。
(ちなみに、塩化ナトリウムを水に混合すると表面張力は高くなり、このときの塩化ナトリウムは「界面不活性物質」です。)
例えば、石鹸や洗剤は、水に混ざりやすい部分と油に混ざりやすい部分があるため、汚れに吸着して水で洗い流すために利用しますよね。

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界面活性剤を水中に添加していくと、次第に界面活性剤分子がお互いに集まって、親水基を水側に向けた球体(ミセル)をつくります。イガグリのような形を思い浮かべてみてください。とげとげの外側部分が界面活性剤の親水基、とげとげの内側が親油基で、栗の部分に油の塊が取り込まれているようなイメージです。
油がミセルの中に取り込まれて水中に分散する(可溶化)と、油が均一に水に溶けたように見えますが、これは分散と呼ばれます。最初に述べた通り、もっと細かい粒子に分かれて分散しているのが「溶解」です。
溶解とは溶媒(通常は液体)に溶質が均一に混ざること
溶解の中でも、特に身近な溶媒である水への溶解を中心にお話ししました。
水に極性があることが一番のキーポイントです!