化学

0℃以下でも凍らない水の不思議!「過冷却」を元塾講師が解説

よぉ、桜木建二だ。今回は水に関する不思議、「過冷却」という現象について勉強していこう。

水は0℃になると凍るというのは知っているよな。でも0℃になっても凍らず、刺激を加えたことで一気に凍りはじめるという現象があるんだ。

自宅でも試せる実験方法も紹介しよう。さあ、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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Ayumi05

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

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1.水の融点・凝固点

image by iStockphoto

物質の三態についての復習です。固体が液体になること、液体が固体になることをそれぞれ何と表すか覚えていますか?そしてそれらの状態変化が起こる温度を何といったでしょうか。

固体が液体になることを融解といい、その温度を融点といいます。また、液体が固体になることを凝固といい、このときの温度を凝固点といいましたね。水の場合、0℃で氷は溶け始め、0℃で水は凍りはじめます。つまり、理論上、融点と凝固点は同じというわけです。

今回解説する過冷却は、この融点であり凝固点でもある0℃という温度が非常に重要になってきます。それでは過冷却について見ていきましょう。

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前回解説したが、水の沸点は100℃ではなく99.974℃というのが厳密な数値だったよな。まあこれは参考程度に覚えておくとして、水は0℃で凍って100℃で沸騰するということくらいは常識として知っておこう。

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2.過冷却とは

2.過冷却とは

image by Study-Z編集部

過冷却は状態変化が起こるべき温度以下でもその変化が起こらない現象を指します。これを水で例えてみましょう。液体の水から固体の氷に状態変化する0℃を下回ってもなおその変化が起こらない様子がこれに当たります。

水の場合、液体のときは水分子がエネルギーを持って運動している状態です。それが時間経過とともに冷やされ、0℃で凍りはじめます。固体になった氷は分子が運動をやめ、安定した結晶構造となりますね。

上のグラフは時間経過に伴う水の状態変化についてしめしたものです。通常は水のみの状態から0℃で氷と水が混ざって存在する過程を経て、全て氷になります。しかし過冷却というのは、ゆっくり冷やされることで、結晶化が起こらないままの状態が維持されている状態です。ところが振動などの刺激を加えることで一気に結晶化が進み、通常の水と同じ状態変化を辿るというわけですね。

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ゆっくり冷やすことで凍らない。振動によって一気に凍る。これに何の関係があるのが気になるよな。

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まず水が氷になるためには、分子が自由に動き回っている状態から安定した結晶構造にならなければなりませんね。そのためには、氷の種になるようなごく小さな氷の粒が必要になります。また、この粒ができるためにはある程度のエネルギーが必要になるのです。ゆっくり冷やすことで凍らないというのは、このエネルギーが生まれないために凍ることができない状況といえるでしょう。

また、刺激によって一気に結晶化が進むのは、刺激によって結晶化を進めるための粒ができるためです。1つの粒を起点にして、連鎖的に変化していくので急激な結晶化となるわけですね。この刺激というのは容器への衝撃のほか、小さな氷の欠片を落とし入れてみたり、過冷却状態にある冷却水を受け皿に注ぐ方法でもいいでしょう。

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3.身近なもので過冷却を知ろう

それでは、実際にどんな状況でこの過冷却が起こるのかを見ていきましょう。最近原子やイオン、結合といった難しい解説が続いていましたので、少し身近なことで解説しようと思います。

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3-1.雨氷

雨氷(うひょう)というものは、その名の通り雨が氷になったものです。

雨が氷に、と聞くと雪を想像するかもしれませんが、雪は雨が降ってくる途中で水が氷に変わったものでしたね。一方で雨氷は過冷却状態の雨(着氷性の雨)が地面や木などに当たる衝撃で結晶化し、透明な氷になるというものです。写真を見ると、木の枝を覆うように凍っているのがわかりますね。

雨氷に似たものとして、着氷性の雨によって凍結付着した氷層のうち、白色で脆いものを樹氷(じゅひょう)、半透明のものを粗氷(そひょう)があります。

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有名な飲料メーカーがこの過冷却という現象を使ったドリンクを販売したのを覚えているか?専用の専用冷蔵庫で-5℃前後まで冷やし、キャップを開けるときの振動による刺激で結晶化し、フローズン状態で飲めるというドリンクだったんだ。

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3-2.自宅でチャレンジ

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それでは、自宅で簡単にできる過冷却の実験をしてみましょう。用意するものは、空のペットボトル、薬局などで販売されている蒸留水、冷凍庫です。

空のペットボトルをよく洗ってから蒸留水を3分の2から4分の3程度入れ、冷凍庫で静かに冷やしましょう。水道水やジュースでも出来ないわけではありませんが、結晶化のもとになる粒がもともと入っていたり出来やすかったりするので、過冷却には向かない場合があります。ペットボトルいっぱいに水をいれないのは、氷になると体積が増えるからですね。

上手くいけば3,4時間ほどで過冷却水が出来上がるでしょう。コップやお皿に注いでみて、フローズンドリンクのようになったら成功ですよ。温度計がある人は、過冷却水の温度を測ってみてもいいですね。

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意外と簡単にできそうだと思わないか?ただし、冷凍庫から取り出すときの振動でも凍ってしまう場合があるから気をつけような。

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