
音に関する3つの性質を理系ライターがわかりやすくシンプルに解説!
そもそも音ってなんで遠くまで聞こえるか疑問に思っている人もいると思う。そんな疑問もこの記事では身近なテーマを例にしてわかりやすく解説していきます。まずは1から音の正体とはなんなのかというところから始めて、その正体から導き出される3つの法則を確認していく。
物理についてはほとんどわからないという人でも理解できるように身近に発生する音に関する現象をたくさん入れ込んで解説していくから安心してくれ!
今回は理系ライターの四月一日そうと一緒に見ていきます。
- そもそも音の正体とは!?!?
- 回折
- 音の屈折
- うなり
- 音の本質
この記事の目次

ライター/四月一日そう
現役の大学生ライター。大学では工学部に所属しており、電気系を中心に自然法則や、電気のエネルギーについて学んでいる。アルバイトは塾講師をしており、日々高校生たちに数学や物理の楽しさを伝えている。音に関しては自作でイヤホンを作ったり、何万円もする高額なプレイヤーを集めたりと興味のある分野。
そもそも音の正体とは!?!?

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音の正体、みなさんわかりますか?音って目に見えないので実体があんまりわかんないですよね。音の正体はずばり、空気の振動です。空気の振動が私たちの耳にある鼓膜を振動させて私たちは音を感じることができます。音は空気を伝って私たちに届くわけですね!もしも仮に空気がない真空状態のなかで声を出しても振動する空気がないので声は届きません。
空気を振動させるという表現をしましたが振動というのは波と呼ぶこともできます。皆さんもテレビやカラオケなんかで音の波形を見たことがあるんじゃないんでしょうか。実はあの波形には音の情報のほとんどが詰まっているのです。
例えば1つ1つの波の間隔が狭いほど音が高くなります。これは振動数といって単位時間あたりにどれだけ波動が繰り返されるかという値で表されるのです。波の大きさは音の大きさですね。振幅という値で呼ばれます。あとは細かい波形の形で音色だったり声色が決まるようになっているのもおもしろいですね。
それでは次から音は空気を伝って遠くまで届くということをふまえて3つの大きな特徴を1つ1つみていきましょう!
回折
まず最初の波の性質は回折です。これは音が波として空気中を伝わるからこそ起こる現象なんですね。どんな現象かというと回折とは音が伝わる先に障害物があったとしてもその障害物を周りこんで先まで音が伝わるということをいいます。
これは水の波でも観測することのできる現象です。しかしこの現象が起きるにはある条件があります。その条件というのは障害物の隙間に対して波長が長いことです。例えば光も波の性質を持っていますが波長が音に比べて短いため障害物に回りこんで光を届けるということはありません。音が高い壁の向こうから聞こえる、なんてことがあるのもこの回折という現象によるものなのです。
ちなみに電波でも回折は発生します。いままでののことから考えると電波は波長が長いほど回折が起こって遠くまで届きやすいということが考えられますね。これは実際の携帯の電波でも用いられています。各携帯キャリアがつながりやすい電波というのを打ち出していますがそれは波長の長い低周波の電波をつかっているのです。
音の屈折

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次の性質は音の屈折です。音が屈折するの?とびっくりした人もいるかもしれません。屈折といえば光の屈折が有名ですからね。しかし屈折するのは光だけではありません。音も光も同じ波なのでだいたい似通った性質を持つんですね。それでは音の境界面とは何でしょう?光だと水と空気の境界、空気中と真空の境界などがありましたね。音の場合の主な境界面は温度の境界です。音は空気の温度によって伝わる速さが違います。暖かい空気のほうが伝わるのが速いです。この速さの違いから音も屈折するのですね。
1つ例を挙げましょう。皆さんは寒い冬の夜になんだか遠くの音まで聞こえた経験はないでしょうか?これも実は音の屈折が関係しています。冬の夜は空中よりも地面のほうが温度が低くなるのですが、それにともなって音が屈折して本来空に向かって進むはずだった音が地面の方向に向かって伝わるのです。それで遠くの地上にいる私たちの耳に届くわけですね。
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