直流とか交流って単語は知ってるか?

どちらとも電気に関係する単語です!みんなが普段家庭で使っている機器は直流で動いているのか?交流で動いているのか?あんまり気にしたことがない人も多いかもしれない。しかしこの2種類の電流は特徴が全く違うので間違った電流を使うことはできなのです。

今回の記事ではそれぞれの特徴やどうやって利用されているのかをわかりやすく説明していくぞ!
大学で電気について研究しているライターの四月一日そうと一緒にみていこう。

ライター/四月一日そう

現役大学生ライター。電気電子工学科に所属しており主に大きな電力を取り扱う研究を日々行っている。アルバイトは塾講師をしており高校生たちに数学や物理の楽しさを伝えている。

そもそも直流、交流とは?

image by iStockphoto

それでは直流と交流の違いを説明する前にそもそも直流、交流とはどういう電流をさしているのか一緒にみていきましょう。

まずは直流ですね。直流というのは時間が変化しても電圧が一定に保たれて向きが変化しない電流のことです。それに対して交流は時間とともに電圧や向きが変化します。変化するといってもでたらめに変化するのではなく、周期性といって同じような変化を繰り返すのです。例を挙げると三角関数のsinカーブのような変化の仕方ですね。

直流、交流の特徴をざっくり解説!

それぞれの電流がどういったものかは上で説明しました。それではそれぞれにどういった特徴があるのかを見ていきましょう。

直流はよくも悪くもまっすぐひたむきな電流とイメージです。なのでそのまま使うとなると非常にパワフルな電流なのですが、あまり融通が利かない電流でもあります。例を挙げるなら電圧がとても変えづらいです。交流であるなら、変圧器という装置を使うことで簡単に電圧を変えることができるのですが直流はそうはいきません。電流を送り届けるための設備を丸ごと変えないといけないのです。

それに対して交流は柔軟に対応してくれるイメージですね。突然電気の流れを止めたいと思ったとしましょう。もし交流電流の流れを止めたいと思ったら電圧が0になるタイミングで止めれば設備への負担をほとんどかけずに電流をストップさせることができます。直流だと常に電流が一定のため電流を遮断するとなると設備への負担が大きくなって管理のためのコストが上がってしまうのです。

身の回りの直流、交流

image by iStockphoto

では、直流や交流は身の回りでどういう風に活用されているか見ていきましょう!

身の回りのもので電気関係というとパソコンやスマートフォンがまず思い浮かびますね。それではパソコンやスマートフォンはどちらの電流で動いてるのでしょうか。正解は直流です!これは直流の安定性を利用しているからなんです。もし、交流を使って動かそうとすると周期的に画面が暗くなって、明るくなって、の繰り返しになってしまいますよね。このことを考えると身の回りの電化製品、テレビ、冷蔵庫、電子レンジなどはどれも安定した電流が必要ですね。このことから普段の生活で使う電化製品は直流電流で動いていることがほとんどです。

ちなみに電池も直列の電流を流します。一般にプラス、マイナスを合わせて使うものはすべて直流の電流を扱っているのです。

ただ、コンセントから供給される電流は交流になっています。コンセントは2つの端子を差し込んで使いますがプラス、マイナスは合わせる必要ないですよね。なぜ交流が使われているかというと電力を長い距離運ぼうと考えるときは交流のほうが有利な点が多いからです。ひとつはさっきも説明しましたが遮断が簡単なことが挙げられます。もし電気料金を支払わない世帯があったとしたらそこへの電力供給はストップしなければいけません。そういったときに交流なら安全に設備に負荷をかけることなく電流を止めることができるのですね。

もう1つの理由は高電圧で送れるという点です。交流は電圧を変えやすいという話は先ほどいたしました。電力というのは遠くに送るときほど高い電圧で送ったほうがロスが少なく有利なのです。

ACアダプタという言葉を聞いたことがありませんか?ACというのは交流の意味で主に交流から直流に変換されるのに使います。パソコンやスマートフォンの充電は直流でないとできないので充電する前に直流に変換する必要があるのです。皆さんの充電器にもACアダプタは使われているはずなのでぜひチェックしてみてくださいね!

物理的な視点での交流、直流

物理的な視点での交流、直流

image by Study-Z編集部

今までで直流と交流をだいぶ身近に感じてもらえたかと思います。次はちょっと物理的な観点から直流と交流をみつめてみましょう!

直流は交流に比べると単純です。小学校、中学校の理科の時間で簡単な回路の勉強を習ったと思いますがそれらはすべて直流ですね。高校物理でも一部交流を扱った問題がありますがほとんどが直流の問題ですね。直流については変わった計算などはないので今まで通りに問題を解いてみてください。

交流に関しては複雑に思えますがざっくりと説明します。まず電圧についてです。交流の特徴の1つに電圧が時間によって変化するというのがありましたね。しかし交流にも電圧の表示があるのです。これはどうやって決められているのでしょう。ここで実効値という値が登場します。これは交流を抵抗に流した時に直流換算すればどれほどの効果があるかを表す値です。具体的な計算は上の画像のようになります。コンセントから供給される交流の電圧の大きさは100Vと表記されていますがこれは実効値であらわされた電圧です!

もう1つ交流には重要な値があります。それは瞬時値です。瞬時値というのは名前の通りある時間での電圧の大きさを表しています。交流の周期が正弦波、つまりsinカーブだとしましょう。そうすると瞬時値は画像の式で表されます。Vmが電圧の最大値、ωが角速度、tが時間です。tに調べたい時間を代入すればその時の電圧の大きさがeで表されます。

\次のページで「直流、交流は使いどころ!」を解説!/

直流、交流は使いどころ!

この記事では直流と交流を比較しながら進めてきました。どちらか一方が完全に使いやすいというわけではなく使う用途によってどちらが適切かを考える必要があることがわかりましたね。また、大学に進むと電気系の勉強で最初につまづくのが交流の問題だと思います。ただ、瞬時値や実効値などの言葉を正しく理解していれば解ける問題ばかりなのであきらめずにチャレンジしてください!

" /> 「直流」「交流」の違いや特徴を5分で理系ライターがわかりやすく解説! – Study-Z
物理理科電磁気学・光学・天文学

「直流」「交流」の違いや特徴を5分で理系ライターがわかりやすく解説!

直流とか交流って単語は知ってるか?

どちらとも電気に関係する単語です!みんなが普段家庭で使っている機器は直流で動いているのか?交流で動いているのか?あんまり気にしたことがない人も多いかもしれない。しかしこの2種類の電流は特徴が全く違うので間違った電流を使うことはできなのです。

今回の記事ではそれぞれの特徴やどうやって利用されているのかをわかりやすく説明していくぞ!
大学で電気について研究しているライターの四月一日そうと一緒にみていこう。

ライター/四月一日そう

現役大学生ライター。電気電子工学科に所属しており主に大きな電力を取り扱う研究を日々行っている。アルバイトは塾講師をしており高校生たちに数学や物理の楽しさを伝えている。

そもそも直流、交流とは?

image by iStockphoto

それでは直流と交流の違いを説明する前にそもそも直流、交流とはどういう電流をさしているのか一緒にみていきましょう。

まずは直流ですね。直流というのは時間が変化しても電圧が一定に保たれて向きが変化しない電流のことです。それに対して交流は時間とともに電圧や向きが変化します。変化するといってもでたらめに変化するのではなく、周期性といって同じような変化を繰り返すのです。例を挙げると三角関数のsinカーブのような変化の仕方ですね。

直流、交流の特徴をざっくり解説!

それぞれの電流がどういったものかは上で説明しました。それではそれぞれにどういった特徴があるのかを見ていきましょう。

直流はよくも悪くもまっすぐひたむきな電流とイメージです。なのでそのまま使うとなると非常にパワフルな電流なのですが、あまり融通が利かない電流でもあります。例を挙げるなら電圧がとても変えづらいです。交流であるなら、変圧器という装置を使うことで簡単に電圧を変えることができるのですが直流はそうはいきません。電流を送り届けるための設備を丸ごと変えないといけないのです。

それに対して交流は柔軟に対応してくれるイメージですね。突然電気の流れを止めたいと思ったとしましょう。もし交流電流の流れを止めたいと思ったら電圧が0になるタイミングで止めれば設備への負担をほとんどかけずに電流をストップさせることができます。直流だと常に電流が一定のため電流を遮断するとなると設備への負担が大きくなって管理のためのコストが上がってしまうのです。

身の回りの直流、交流

image by iStockphoto

では、直流や交流は身の回りでどういう風に活用されているか見ていきましょう!

身の回りのもので電気関係というとパソコンやスマートフォンがまず思い浮かびますね。それではパソコンやスマートフォンはどちらの電流で動いてるのでしょうか。正解は直流です!これは直流の安定性を利用しているからなんです。もし、交流を使って動かそうとすると周期的に画面が暗くなって、明るくなって、の繰り返しになってしまいますよね。このことを考えると身の回りの電化製品、テレビ、冷蔵庫、電子レンジなどはどれも安定した電流が必要ですね。このことから普段の生活で使う電化製品は直流電流で動いていることがほとんどです。

ちなみに電池も直列の電流を流します。一般にプラス、マイナスを合わせて使うものはすべて直流の電流を扱っているのです。

ただ、コンセントから供給される電流は交流になっています。コンセントは2つの端子を差し込んで使いますがプラス、マイナスは合わせる必要ないですよね。なぜ交流が使われているかというと電力を長い距離運ぼうと考えるときは交流のほうが有利な点が多いからです。ひとつはさっきも説明しましたが遮断が簡単なことが挙げられます。もし電気料金を支払わない世帯があったとしたらそこへの電力供給はストップしなければいけません。そういったときに交流なら安全に設備に負荷をかけることなく電流を止めることができるのですね。

もう1つの理由は高電圧で送れるという点です。交流は電圧を変えやすいという話は先ほどいたしました。電力というのは遠くに送るときほど高い電圧で送ったほうがロスが少なく有利なのです。

ACアダプタという言葉を聞いたことがありませんか?ACというのは交流の意味で主に交流から直流に変換されるのに使います。パソコンやスマートフォンの充電は直流でないとできないので充電する前に直流に変換する必要があるのです。皆さんの充電器にもACアダプタは使われているはずなのでぜひチェックしてみてくださいね!

物理的な視点での交流、直流

物理的な視点での交流、直流

image by Study-Z編集部

今までで直流と交流をだいぶ身近に感じてもらえたかと思います。次はちょっと物理的な観点から直流と交流をみつめてみましょう!

直流は交流に比べると単純です。小学校、中学校の理科の時間で簡単な回路の勉強を習ったと思いますがそれらはすべて直流ですね。高校物理でも一部交流を扱った問題がありますがほとんどが直流の問題ですね。直流については変わった計算などはないので今まで通りに問題を解いてみてください。

交流に関しては複雑に思えますがざっくりと説明します。まず電圧についてです。交流の特徴の1つに電圧が時間によって変化するというのがありましたね。しかし交流にも電圧の表示があるのです。これはどうやって決められているのでしょう。ここで実効値という値が登場します。これは交流を抵抗に流した時に直流換算すればどれほどの効果があるかを表す値です。具体的な計算は上の画像のようになります。コンセントから供給される交流の電圧の大きさは100Vと表記されていますがこれは実効値であらわされた電圧です!

もう1つ交流には重要な値があります。それは瞬時値です。瞬時値というのは名前の通りある時間での電圧の大きさを表しています。交流の周期が正弦波、つまりsinカーブだとしましょう。そうすると瞬時値は画像の式で表されます。Vmが電圧の最大値、ωが角速度、tが時間です。tに調べたい時間を代入すればその時の電圧の大きさがeで表されます。

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