エネルギー変換の種類を具体的な例で理系ライターがわかりやすく解説!
人々はいろんな種類のエネルギーを使いやすいエネルギーに変換して利用しているんです。今回はどんなふうにエネルギーが変換されているのか、どういったエネルギーが実際に使われているのかなどを一緒に見ていこう。
今回は理系ライターの四月一日そうと一緒にみていくぞ!
ライター/四月一日そう
現役の大学生ライター。大学では電気系についてを中心に幅広く勉強している。電気の中でもエネルギーを主に取り扱うコースに所属しており、電気エネルギーへの変換などの研究を日々、行っている。
実は身近なエネルギー変換
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さて、いきなりですがエネルギー変換と聞いてどんなイメージを持ちますか?風力発電や火力発電などなんだか大がかりな機械を使わないと出来ない……みたいなイメージがあるんじゃないでしょうか?しかし、エネルギー変換というのはもっと身近にも存在しているのです!
例えば、扇風機は電気エネルギーを羽の部分の運動エネルギーに変換していますし、車も化石エネルギーを運動エネルギーに変換していますね。
このようにエネルギー変換というのは身近な所で沢山おこなわれているのです!
エネルギー変換の秘密
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身近にエネルギー変換が行われていることはわかったと思います。しかし、エネルギー変換には大きな秘密があるのです!それはエネルギーは完全に変換されない場合が多いという事実!
そっくりそのまま別のエネルギーに変換するというのはほぼ不可能に近いんですね。エネルギー保存の法則が成り立つんじゃないの?と思った人もいるかもしれません。はい、確かにエネルギー保存の法則は成り立っているのです。
エネルギー保存の法則は大きな視点で見た場合に見るとなりたっています。しかし、目的のエネルギーの種類には100パーセント変換されてはいないのです。
例えば、火力発電の場合を考えてみましょう。火力発電とは燃料を燃やして電気エネルギーを得る事が目的です。では、火力というからには当然燃料を燃やしますよね。燃料を燃やすということは熱も同時に発生します。熱エネルギーは今回の目的のエネルギーではないので有効に使われることはありません。燃料のエネルギーが全部そのまま電気エネルギーになる事が理想ですが途中で熱エネルギーが発生しているのでそれは出来ないということですね。上の画像のような関係になります。
火力発電の変換効率は40パーセントから50パーセントといわれているので、およそ半分以上のエネルギーを損失してしまっている訳ですね。びっくりしたかもしれませんがひと昔は35パーセント前後だったのでかなり改善されているといえます!これから先もっと変換効率が良くなっていくかもしれませんね!
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原子力発電
今現在、電力を作り出す方法としては火力発電や風力発電、地熱発電、水力発電などがありますがたびたびニュースなどで話題になるのが原子力発電ですね。原子力発電は日本では東日本大震災のときにも危険性が話題になりましたし、世界的にみても原子力発電を一切行わない国があります。これだけ話題になっている原子力発電がどんな仕組みなのか一緒に見ていきましょう!
原子力発電のもともとのエネルギーは核分裂という原子核が2つに別れるときの反応で発生するエネルギーを利用しています。核分裂で発生するエネルギーの種類は熱エネルギーです。この取り出した熱エネルギーで水を沸かし蒸気でタービンを回転さして電気エネルギーを手に入れるというわけですね。原子力発電で使われる原子はウランという核分裂しやすい原子が使われています。
原子力発電のメリットは二酸化炭素を排出せずに、安定して大量の電気をつくりだすことができる点です。また、火力発電に比べて使う燃料が少なくて済みます。
これだけみるとなかなかにいい発電方法のようにみえますがやはり問題点もあるのです。それは人体への影響ですね。核分裂した際に放射線物質や放射線が発生します。普段は人体にこれらが触れないよう原子炉の中で厳重に管理されているのですが災害などでそれが外へ出てしまうととても危険なんですね。放射線や放射性物質は人間の細胞を破壊するのです。もし、浴びたときにはどうってことなくても数年後、ガンにかかるリスクが高くなるといった被害が出ます。
原子力発電にはいいところと悪いところがあることがわかりました!ただし、世界中で普及するためにはやはり安全面の懸念をクリアしていかないといけないといったかんじですね!
再生可能エネルギー
環境問題などでたびたび話題になるテーマが再生可能エネルギーですね。再生可能エネルギーと聞くと環境にやさしい、燃料がなくなる心配がないなどのイメージを持つ方が多いんじゃないでしょうか?
しかし日本で一番盛んにおこなわれている発電は火力発電なのです。それでは再生可能エネルギーを利用した発電方法がなぜメインにならないのか、それにはいくつかの理由がありますが最大の理由は発電量が安定しないということ!再生可能エネルギーは燃料を使った発電よりもどうしても発電効率が悪くなってしまいます。太陽光を例に一緒に考えてみましょう。
一般に普及している太陽光発電の発電効率は15パーセントから20パーセントといわれています。50パーセントに近かった火力発電に比べるとだいぶ少ない感じがしますね。また、雨や曇りの日が続くとほとんど発電できないという点でも安定性に欠けるといえます。毎日パソコンやスマートフォンを使う私たちにとって安定性は大きな課題と言えるでしょう。
ただ、課題が多いということはこれから改善の余地がたくさんあるということです。今回は太陽光発電を例に説明しましたが再生可能エネルギーを使った発電方法はもっとたくさんあるのでそれらを組み合わせることで持続可能な社会が実現できる日が来るかもしれませんね!
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