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「イエス・キリスト」について歴女がわかりやすく解説!彼を知らずに西洋史は理解できない

1-4、イエスのきょうだい

カトリック教会とギリシア正教会は、マリアは処女懐胎したイエス以外に子はいなかったという主張(そのせいでヨセフも老人に描かれて影が薄い存在に)で、新約聖書の中での「兄弟」の記述は、実の兄弟以外の「親族」の意味で解釈(またはヨセフの連れ子に)。

イエスの母語であるアラマイ語は、日本語の従兄弟、甥、姪にあたる言葉が無いので「兄弟、姉妹」と言っていたよう。しかしプロテスタント教会では、新約聖書の「兄弟」を文字通り「兄弟」と解釈、イエスの兄弟のヤコブ、ヨセフ、ユダ、シモンの4人もマリアの子だったということに。

1-5、イエスの幼年時代

イエスはヘロデ王の死後、エジプトから戻り、ガリラヤ地方のナザレで育ったということ。ルカの福音書によれば、大変聡明な子であったといい、大工だったといわれている父ヨセフはギリシア語で「テクトーン」、ローマ帝国がイスラエルに建設していた都市で技術者として働いた説があり、父の仕事を手伝うイエスはそういう場所で新しい考えに接する機会が多かったのではということ。

ルカの福音書には、イエスが12歳のときに過越祭のためエルサレムへ行ったとされ、イエスは両親とはぐれ、必死に探す両親は3日後にエルサレム神殿で学者たちと討論を展開している少年イエスを発見、ナザレに連れ戻したという話が。

通常ユダヤ人の男子は13歳でバル・ミツバという成人式のような通過儀礼を行い、宗教的に大人の仲間入りが認められるということで、その準備は12歳から始まり、男子の義務は過越の祭りと七週の祭り、仮庵の祭をエルサレムで守ることとなっていて、イエスも過ぎ越しの祭りのために巡礼、 イエスの聖書理解に学者たちが舌を巻いたということ。

しかし30歳までの人生はほとんど知られておらず、布教活動を行ったのはわずか3年足らずの間でした。

イエスについては、その言行録である新約聖書にある弟子たちの書いたとされる福音書によるものから知るわけなんですが、この福音書が書かれたのはイエスの死後40年か70年後なので、はっきりしないことも多いです。
また、新約聖書のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書の他に、トマスによる福音書という正典として認められなかった外典文書があり、そこにはイエスの子供時代についても述べられているそう。

聖書外典とは
外典(がいてん)とは、ユダヤ教、キリスト教関係の文書の中で、聖書の正典に加えられなかった文書のこと。

現在用いられている聖書は、歴史的には正典を決める必要があり、3世紀ごろから何度も会議を経て、カトリック教会では1546年のトリエント公会議で聖書の正典、外典の定義が再確認されたほか、プロテスタント教会では17世紀中盤、同じように正典の公式な定義が行われたということで、聖書に入らなかった異端とされる「トマスによる福音書」「ヤコブ原福音書」「トマスによるイエスの幼児物語」文書も存在するのですね。

2-1、イエス、洗礼を受ける

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By イワン・クラムスコイ[1], パブリック・ドメイン, Link

30歳を超えたイエスは、ヨルダン川で洗礼者ヨハネ(バプテスマのヨハネ、使徒ヨハネとは別人)から洗礼を受け、これによってイエスに神の聖霊が宿ったとされたということ。

洗礼を受けたイエスは荒野で40日間の断食を行って悪魔から、神の子ならば石をパンに変えてみろ、 悪魔を拝むならば、この国の一切の権力と繁栄を与えよう、神の子ならば、エルサレムの神殿から飛び降りてみろと、悪魔は聖書の言葉を用いてイエスに3つの誘惑を行ったものの、イエスも聖書の言葉を巧みに用いて誘惑を退けたことで、自らが救世主(メシア)であることを証明。

2-2、数々の奇跡をおこなう

image by PIXTA / 22823108

イエスは、愛の教えと奇跡による人々の救済の旅を開始。
イエスが信仰された理由のひとつとして、彼が起こした数々の奇跡が存在するということ。

新約聖書によればイエスは奇跡をおこなうことで、自身がメシアだと証明。イエスはたった5つのパンと2匹の魚で、5千人を満足させたり、瓶の水をワインに変え、病人の治療も行い、盲者の目を見えるように、ろうあ者を話せるようにし、さらに悪霊に憑りつかれた者を清め、死んだ人間を甦らせるという奇跡を行ううちに、弟子が出来、また信者を増やしていったということです。

イエスの起こした奇跡については、様々な学者が研究し、自然現象だとか、イエスに医学の心得があったとか、創作説などと考えられているそう。そしてイエスは、当時の社会から隔離された障害者や精神病者に対して平等に接したことで、彼らを治療した結果が奇跡として語られたのかもという説も。

2-3、イエスは結婚していたか

イエスは独身であったということからカトリックの神父や修道尼は独身となっていますが、イエスは聖書の中では結婚を否定せず、結婚していたかどうかは不明のまま。また12使徒のひとりであるマグダラのマリアは女性でありながら、イエスの筆頭弟子であったといわれていて、マグダラのマリアはイエスの恋人あるいは妻だったという説も存在しているが、これもはっきりしたことはわかっていないということ。

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