
モーターから学ぶ「フレミングの左手の法則」を理系ライターがわかりやすく解説

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【解答】
例によってフレミング左手の法則を使います。
イラストのようにモータが回転する時の「電磁力」の向きに親指を合わせましょう。次に磁界の向きと人差し指の向きを合わせます。
この時、中指はどちらを向いていますか?
正解は(ア)の向き。
モータの回転方向を判断する問題(例題4)

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例題4:整流子なしで回転させるには?
イラストのように、整流子がなくコイルのA部分とB部分が別々に輪っかに接続している状態を想定。電流の向きを変えながらモータを回転させる場合を考えます。次の問に答えましょう。
モータを回転させるためには、コイルが(問1 ア.360°、イ.180°、ウ.90°)回転するごとに電流の向きを逆向きに変化させる必要があります。
問2 モータがイラストの方向に回転するときの電流の挙動として正しいのはA~Dのどのグラフですか。ただし、コイルの角度はイラストの状態が0°とし反時計回りに角度を取るものとし、電流の向きはイラスト内で示した(正)の向きをプラスの向きとします。
【解答】例題4解説
モーターが回転し続けるためには、コイルが左半分にある時と右半分にある時とで電流の向きを切り替える必要があります。つまり角度で言うと180°ごとに切り替えるので、問1は(イ)180°が正解。
問2はフレミング左手の法則を使って考えましょう。コイルA部分が左半分にある時は電磁力の向きは下向き、磁界の向きは右向きなので電流の向きはイラストの正の向き。
逆にコイルA部分が右半分にある時は、電磁力の向きは上向き、磁界の向きは右向きなので電流の向きはイラストの負の向き。
さて問題は電流の向きを切り替えるタイミング。
イラストで、コイルAが真上or真下にに来る時に切り替え。イラストの状態が0°、コイルA部分が真下に来た時が90°、右に来た時が180°、真上に来たら270°、1周して左に戻って来たら360°。
まとめると、
コイルAが左半分の時:角度は0〜90°と270〜360°で電流の向きは正。
コイルAが右半分の時:角度は90〜270°で電流の向きは負。
正解は(ウ)です。
覚えるより慣れよう
フレミング左手の法則は使えることが大事です。
使い慣れることが、何より近道。めんどくさがらず「電磁力」なり「電流」なりの向きを考える習慣をつけましょう。
極端な話、最初はフレミング左手の法則を暗記せず、教科書でどの指が何の向きか確認しながら考えてもよいでしょう。大切なのは公式を覚えることより、左手を使って向きを判断する習慣です。